Jをめぐる冒険BACK NUMBER
FC東京・武藤嘉紀と川崎・谷口彰悟。
アギーレ監督に推したい2人のJ選手。
posted2014/08/15 11:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
今から気になって仕方がない。9月5日、札幌ドームのピッチに立っているのは、誰なのか――。日本代表の新監督、ハビエル・アギーレの初陣となるウルグアイ戦のことだ。
個人的には、旬な国内組によるフレッシュな日本代表が見たい。いや、ブラジルW杯に出場した欧州組の面々はもう、お役御免だと言いたいわけではない。彼らの力は日本代表にもちろん必要だ。
そうではなくて、親善試合のたびに日本へ呼び戻すのは止めませんか、ということだ。シーズン中に欧州と日本を何度も往復すれば、コンディションを保つのが難しく、クラブでのポジション争いに影響を及ぼしかねない。
アギーレ監督は「長旅は障害にはならない」と語ったが、おいそれと頷くわけにはいかない。内田篤人もそれに苦しみ、代表から引退するかどうか思い悩んだというからだ。
しかも9月といえば、欧州の各国リーグが開幕したばかり。本田圭佑や香川真司のように、クラブにおける立場をまだ確立できていない選手もいる。今はクラブに専念させたほうがいいと思うのだ。
4年間滞っていた世代交代を一気に進めるチャンス。
それに、ウルグアイ戦まであと半月ちょっと。その間Jリーグは視察できても、欧州組のプレーは生では見られない。初陣なんだから、映像に頼るのではなくなるべく実際のプレーを自分の目で確かめて、選手を選んでもらいたい。
日本代表はこの4年間、レギュラー組の顔ぶれがほとんど変わらず、世代交代が滞っている状態でもある。だったらなおさら、前任者のチームを引き継ぐのではなく、刷新してみるのはどうか。8年前のドイツW杯のあとに、当時のイビチャ・オシム日本代表監督がそうしたように――。
来年1月にアジアカップが控えているのは承知のうえで、国内組の抜擢を推すのは、試してみたら面白いと思わせるタレントが、ガンバ大阪の宇佐美貴史、鹿島アントラーズの柴崎岳らを筆頭に、今のJリーグには目白押しだからだ。