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“ボールピープル”を通して変わりゆく世界を見つめる。

posted2014/08/12 13:00

 
“ボールピープル”を通して変わりゆく世界を見つめる。<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

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Number編集部

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Atsushi Kondo

 みんなが憧れるサッカー選手、スタジアムや街中のバーでひいきのクラブに声援を送るファン、そして路地裏やビーチでサッカーボールを蹴る無名の人たち。

 そんな“ボールピープル”を撮り続けてきた写真家・近藤篤の個展が、新宿のコニカミノルタプラザで開催される。

近藤篤

近藤 篤(こんどう あつし)

1963年 愛媛県生まれ。大学卒業後、中南米に渡り、ブエノスアイレスにて写真を撮り始める。 「Number」などの雑誌を中心に、サッカー写真、人物ポートレイト、紀行写真などを発表。著書に『木曜日のボール』、『ボールの周辺』、『サッカーという名の神様』(いずれもNHK出版)がある。2014年に『ボールピープル』(文藝春秋)で第1回サッカー本大賞を受賞した。。

 コニカミノルタプラザでは、コニカミノルタが社会貢献・文化貢献活動の一環として、長年にわたりさまざまな企画展を開催している。入場無料で質の高い展示を鑑賞できる人気のギャラリースペースだ。今回は写真家集団「マグナム・フォト」が撮影したサッカーに関する作品を展示した<MAGNUM FOOTBALL 25 MAGNUM PHOTOGRAPHERS>が同時開催され、会場がサッカー一色に染まる。

「30年以上、サッカーというものに向き合い続けてきたけど、この写真展が自分の集大成とみられても悪い気はしないかな」

 近藤自身がそう言う今回の写真展では、昨年上梓したフォトエッセイ『ボールピープル』から厳選したカットに加え、先月まで行なわれていたブラジル・ワールドカップの取材で撮影した新作も数多く展示されている。

「ワールドカップの30日間、試合はもちろん、街中でもひたすらサッカーボールの周りにいる人たちを撮っていたから、後半は『もうサッカーはいいや』という気分になったくらい(笑)。決勝戦の撮影ではどうやったら選手や会場をうまく撮れるのかわからなくなっていました。でも、自分でも見たことのない写真が撮れて、そのうちの数枚を会場ではかなり大きく展示しているので迫力ありますよ」

【次ページ】 写真の横に手書きのメモを置いた“読める”写真展。

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