Number Do SpecialBACK NUMBER
<達人が教える山旅> 鏑木毅と行く野反湖 「“再発見”した古道を歩き、走ってみよう」
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph byShiro Miyake
posted2014/08/12 10:00
日本が誇るプロトレイルランナー・鏑木毅さんは、自ら走るだけでなく、
大会もプロデュースしている。2つの温泉地と人工の湖を走るコースを設計し、
廃道を丹念に蘇らせると、そこには素晴らしい景色が広がっていた――。
好評発売中の「Number Do 達人が教える 山旅に行こう。」より、
鏑木さんが中之条町で開いた大会の特集を公開します。
大会もプロデュースしている。2つの温泉地と人工の湖を走るコースを設計し、
廃道を丹念に蘇らせると、そこには素晴らしい景色が広がっていた――。
好評発売中の「Number Do 達人が教える 山旅に行こう。」より、
鏑木さんが中之条町で開いた大会の特集を公開します。
梅雨の合間の青空が、山の稜線をくっきりと浮かび上がらせている。東に八間山、西に弁天山、いずれも高山植物が斜面を彩る花の山だ。眼下に目をやれば、そこに広がるのは空よりも青い湖。その青さに見惚れるように、鏑木毅さんがしみじみとつぶやいた。
「まるで童話の世界ですよね。こんなにキレイな場所なんだから、またランナーに走りに来てもらいたい。歩くのが好きな方にもぜひ知ってもらいたいな」
ここ野反湖は、群馬県中之条町にある人工の湖。中之条町と聞いて、いったいどれほどのひとが正確な場所を指し示せるだろう。
6月15日、この湖畔を含んだ50マイル(81.4km)のコースで、トレラン大会「スパトレイル〔四万to草津〕」が鏑木さんらのプロデュースにより行われた。
初めての開催、アクセス不便なロケーション、加えて累積標高が4905mに達する過酷なコース条件だ。はたしてランナーが集まるだろうかと危惧されたが、ふたを開ければ、669名もの参加者が集う盛況ぶりだった。
プロのトレイルランナーであり、数多くの国際レースでも活躍する鏑木さんは、なぜこの場所で大会を開こうと思ったのか。