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“銀河の彼方”を目指し補強を続行!
ナポリが挑む本気のスクデット獲り。
posted2014/08/07 10:40
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
今季の開幕を前に、ナポリのユニフォームへコッパイタリア覇者の証である3色パッチが縫い付けられた。ただし、彼らの新シーズンの目標が決して国内カップ戦の連覇になどないことは明らかだ。
「マラドーナの最初の優勝から、もう四半世紀になる。私が欲しいのは、スクデットだ!」
デラウレンティス会長が吠えれば、選手たちも監督ベニテスも「狙うは優勝」と口を揃える。大変革の一年を終えて、誰の言葉にも“俺たちは強い”という自信が漲っている。
昨年の夏、ナポリは得点王カバーニを放出し、選手の半分を入れ替え、監督も戦術も一変させた。
カップ戦のスペシャリストである新監督ベニテスに率いられた“スペイン風”ナポリは、イタリア半島では異端扱いの「4-2-3-1」をもって暴れ回った。同じ布陣で挑んできた新米監督セードルフのミランを2月の対戦で圧倒したベニテスは、古巣インテルにも勝ち越した。今のナポリにミラノ勢が付け入る隙はない。
14人をW杯へ送り出したナポリ。
ナポリがセリエAとコッパイタリア、CLとELで挙げた合計ゴール数「104」は、昨季の同じ4大会を戦ったイタリア王者ユーベをも凌駕した。名物会長が「うちの攻撃陣に値を付けるなら、2億5千万ユーロ級だ」と豪語するのも道理だ。
それでも、彼らはスクデットに届かなかった。
野心高い選手たちは、国内カップ戦タイトル奪回にも満足できないまま、ブラジルへ旅立っていった。ナポリからW杯へ招集された選手は、予備登録も含めイタリアで最多の14人にも上った。
マラカナンの決勝戦で、FWイグアインはドイツを前に涙を呑んだ。代表と同じ背番号9を背負うエースは、バカンスを早めに切り上げてナポリ2年目のキャンプに合流してきた。今季こそ、本腰でセリエA得点王を獲りに行くのだ。