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チアゴ・シウバが語る母国でのW杯。
「僕はネイマールのために死ねる」 

text by

田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2014/06/12 10:40

チアゴ・シウバが語る母国でのW杯。「僕はネイマールのために死ねる」<Number Web> photograph by Getty Images

チームのあらゆる選手からの尊敬を受けながらも、親しみやすさも兼ね備えるチアゴ・シウバは、クラブでも代表でもキャプテンを務める。

「ネイマールのためなら、躊躇わずに死ねる」

――ネイマールはブラジル人のプレーする喜びを象徴しているように見えます。彼は滅びゆくフッチボール・アルチ(芸術的フットボール)のひとつの形態といえるのでしょうか?

「僕が見る限り、フッチボール・アルチは死んではいない。ペレの時代からブラジルのプレーには、芸術的な喜びがしみ込んでいる。今の代表選手たちも、大半はネイマールと同じ精神状態でプレーしている。つまりどんなときでもプレーする喜びにあふれている。ダビド・ルイスにしても、悲しそうにしているのを見たことがない。

 僕は朝の練習のときなど、顔をしかめてやっていることもある。ちょっと神経質になって、話しかけてもらいたくないときもある。でもダビド・ルイスはまったく違う。朝、起きた瞬間から、彼は冗談ばかり言っているんだ。ホテルの廊下を全力疾走することだってできる。

 いずれにせよセレソンの雰囲気はとてもいい。全員がそれをよくわかっていて、この雰囲気を壊しそうな選手は誰もいない。もちろん得ているサラリーの額には差があるし、顔の美醜にも違いはある。幸福の度合いにも差はある。だがそうした違いはあっても、僕らのグループの中にはネガティブな兆候は何もない。誰もがチームメイトのために、持てる力のすべてを尽くしたいと考えている。

 ネイマールのために走らねばならないのであれば僕はそうするし、彼のために死なねばならないのであれば躊躇わずに死ぬだろう。なぜならそうやって彼のために献身することが、僕にとっても無上の喜びであるからだ。そして彼こそは、どんなときでも僕らに勝利をもたらしてくれる存在であることを、僕らもよくわかっているのだから」

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