スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
急造投手と観客の喝采。
~イチロー初登板への期待の眼~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byKyodo News
posted2014/05/24 10:30
1996年球宴で登板したイチロー。メジャーでマウンドに立つ姿も見てみたいが果たして。
マリナーズ時代、イチローは登板志願したことも。
そういえば彼は、マリナーズ時代の'03年4月、対レンジャーズ戦が延長13回に入っても決着がつかず、ブルペンが空になりかけたとき、ライトの守備位置で肩ならしをはじめたことがある。もちろん、監督のボブ・メルヴィンは「至宝イチロー」の登板を許さなかったし、試合も13回裏、ブレット・ブーンの一発でマリナーズの勝利に終わっている。
彼らふたり以外で面白そうなのは、ハンター・ペンス(ジャイアンツ)とホセ・アルトゥーベ(アストロズ)だろうか。ペンスの外野からの送球は見ていて楽しいし、身長165センチと小柄な内野手のアルトゥーベは、敏捷なだけでなく、併殺プレーなどで眼をみはる強肩を披露することがある。もし彼が投げたら、ボビー・シャンツ(167センチ、'52年のア・リーグMVP)やダニー・ヘレラ(やはり167センチ)の名前が話題にのぼると思う。トリヴィアの見本のような話だが、これも大リーグの楽しみだ。「二刀流」で話題を呼んでいる大谷翔平がメジャー入りしたら、どんな反応が起こるだろうか。