サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
カタールは前半で勝負を決めにくる!!
勝利に必要なのは、香川真司の覚醒。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/01/21 10:30
「彼は決勝トーナメントで貴重なゴールを決めてくれると信じている」と語ったザッケローニ監督の期待に香川は応えられるか?
チームの成長を語り始めたザック・ジャパンの戦士たち。
アジアカップのような短期集中の戦いを勝ち抜くには、新しい何かを付け足すのではなく、自分たちにできることをどれだけ出し切れるのかが大切になる。ヨルダン戦で戦う姿勢の重要性を再確認したのは、あくまで結果論とはいえ悪いことでなかった。
主審のジャッジに翻弄されたシリアとの第2戦も、チームの士気を高めることにつながっている。
「ヨルダン戦に比べてプレーもたくさん良くなったけど、一番はメンタル」と切り出したのは、過去2度の大会を知る遠藤保仁だ。川島永嗣の退場とPK献上に襲われた際の反応に、もうすぐ31歳になる経験者は手ごたえを感じたのだった。
「ベンチから飛び出して抗議をしたり、アップをしていた選手もアピールをしたり。ああやってみんなで戦うのはすごくいいこと。チームを成長させると思う」
その一方で、紙一重の攻防は自らが招いたものでもある。主審の判定に不満を表したザックも、「これだけチャンスを作っているのだから、早く試合を決めないといけない」と、チームの戦いぶりに苦言を呈している。
果たして、サウジアラビアとの最終戦は序盤で勝利を決定づけた。
大会からの敗退が決まっていた相手とはいえ、開始19分で3点を奪うのは申し分のない展開だ。過去2試合では90キロ台にとどまっていたチーム全体の走行距離も、110キロを超えるところまで上がってきた。フィジカルコンディションと試合勘への不安は、グループリーグの3試合で払拭されたと言っていいだろう。
長谷部や吉田らが洩らしたカタールへの対策とは?
準々決勝を2日後に控えた練習を終え、選手たちがミックスゾーンに姿を見せた。
カタールの印象を聞かれた長谷部が、「つないでくるサッカーというより、前線の選手のフィジカルを生かしてくる。23番とか、12番とか」とイメージを明かす。キャプテンの言葉を受けたのは、センターバックの吉田だ。
「23番のセバスチャンは、ポストプレーもできるし強さもある。ターゲットになっているので、そこを潰せば起点をひとつ潰せることになる。そういうプレーは意識したい」
サウジ戦をケガで欠場した本田圭佑は、「いい試合になると思う」と切り出した。「会場は非常に盛り上がるでしょうし、そういう緊張感のなかでやっていくことは成長につながる。課題はたくさんあるけれど、このチームはもっとできる。そういうところをここから見せていければ、ホントに優勝というものが見えてくると思う」