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超高速馬場で争われる天皇賞・春。
「一強」キズナの牙城を崩すのは?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/05/03 08:00
キズナは7枠14番。国内で初めてとなる2ケタ馬番の発走となるが、佐々木晶三師は「この距離なんで、どこでもよかった」とコメントしている。
「フルゲートの春天は荒れる」のか?
以前は「フルゲートの春天は荒れる」と言われていた。過去10年のデータもそれを示しており、'04年は10番人気のイングランディーレ、'05年は13番人気のスズカマンボ、'09年は12番人気のマイネルキッツ、'10年は2番人気のジャガーメイル、'11年は7番人気のヒルノダムール、'12年は14番人気のビートブラック、'13年は2番人気のフェノーメノが勝っている。
フルゲートの18頭が出走した7回のうち、'10年と'13年以外は人気薄が穴をあけているわけだ。にもかかわらず、最近「フルゲートの春天は荒れる」とあまり言われなくなったのは、'09年以降、フルゲートがつづいているからだろう。少頭数になりがちな長距離戦のなかで春天だけが多頭数になるので、前哨戦とは流れが別種のものになったり、有力馬が包まれたり、外を回らされたりして紛れが生じやすくなるのだと思われる。
今年もフルゲートだ。といったことを踏まえたうえで、結論。
◎キズナ
○ウインバリアシオン
▲ゴールドシップ
△フェノーメノ
×アドマイヤラクティ
オルフェーヴルでさえ負けたレースであることは事実だが、この秋、世界制覇を本気で狙っているキズナ陣営は、だからこそ、「国内では一戦も負けられない」という気持ちで臨んでくる。
キズナの強さは揺るがない。