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超高速馬場で争われる天皇賞・春。
「一強」キズナの牙城を崩すのは?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/05/03 08:00
キズナは7枠14番。国内で初めてとなる2ケタ馬番の発走となるが、佐々木晶三師は「この距離なんで、どこでもよかった」とコメントしている。
先週の日曜日、京都競馬場で行われたマイラーズカップでは芝1600m1分31秒4というスーパーレコードが飛び出した。その前日には、なんと3歳未勝利戦で芝1400m1分19秒9というレコードも。今年の天皇賞・春は、そんな超高速馬場を舞台に、フルゲートの18頭で争われる。
今年の春の盾は、超高速馬場で抜け出すスピードと、3200mを走り切るスタミナの両方を高いレベルで有する馬でなければ勝つことはできない。スピードの絶対値が高く、耐久力のある馬。となると、馬場状態のよかったダービーを上がり33秒5の脚で差し切り、タフで力のいるロンシャンのニエル賞を勝ち、凱旋門賞で4着となったキズナ(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・佐々木晶三厩舎)が、やはり中心になるだろう。
武豊、天皇賞・春の連対率は連対率57.1%。
鞍上は、「平成の盾男」こと武豊。天皇賞・春での成績は21戦6勝2着6回3着4回。勝率28.6%、連対率57.1%、複勝率は76.2%にもなる。出ればだいたい上位に来ている彼が、心底惚れ込むパートナーとともに臨む。
「距離がどうのというレベルの馬ではない。日本のエースになることが、今年、この馬に課せられたこと。凱旋門賞まで勝ちつづけたいですね」
折り合い面は完璧。京都外回りコースへの適性は圧勝した京都新聞杯などで実証済み。前走の大阪杯で、昨年からさらに成長した姿を見せた。
そのキズナに乗る武が、ディープインパクトで制した2006年以来8年ぶりとなる春の盾を手にする可能性は、かなり高いと思われる。