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ボンズの球界復帰で薬物問題が再燃。
禁止薬物と技術の継承、そして殿堂。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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posted2014/03/22 10:40

ボンズの球界復帰で薬物問題が再燃。禁止薬物と技術の継承、そして殿堂。<Number Web> photograph by Getty Images

古巣ジャイアンツのキャンプで臨時打撃コーチとして、選手たちに指導するバリー・ボンズ(写真中央)。薬物疑惑のために殿堂入りが難しい中で、臨時とはいえ、球界に復帰を果たし、今後の動向が注目される。

 メジャー球界の薬物問題は、未だに決着がついていない。

 昨年のキャンプ期間中、バド・セリグコミッショナーが薬物問題に対してこれまで以上に厳格に対処し、厳しい規定を設けると発表してから1年が経過した。

 一昨年末にフロリダの地元紙が、マイアミの開業医から複数選手たちが禁止薬物を受け取っていたと報じたことを発端に巻き起こった、一連のスキャンダル。

 このスキャンダルで、アレックス・ロドリゲス選手やライアン・ブラウン選手はこれまでにない厳しい処罰を受けたが、他の選手たちは従来通り50試合の出場停止処分であった。結局、MLBは新たな罰則規定を制定できないまま、今日に至っているのだ。

 そして残念ながら現在も、マイナー選手の中からは薬物検査に違反し出場停止処分を受ける選手が続出している。そんな事実がある以上、メジャー球界全体が薬物疑惑から完全に脱却したとは誰も思わないだろう。

 薬物問題については、MLBと選手会が足並みを揃えないと進展しない事項であることは承知しているが、セリグコミッショナーの当時の意気込みはいったいどこへいったのだろうか……。

ステロイド時代の象徴、バリー・ボンズの球界復帰。

 そんな状況下で、762本のメジャー通算本塁打記録を保持するバリー・ボンズ氏が約7年ぶりにユニフォーム姿を披露した。1週間という短い期間だったが、古巣ジャイアンツの臨時コーチとなったからだ。

 薬物問題の渦中でも現役続行を希望していたが、契約チームを見つけることができずに、2007年シーズンを最後にグラウンドから姿を消していたボンズ。

 久々にグラウンド上でその勇姿を披露すると、キャンプ地に集まったジャイアンツ・ファンからは、バスター・ポージー選手などの現役勢に勝るとも劣らない声援を受け、今も絶大なる人気ぶりを見せ付けた。

「それは疑いの余地はないだろう」

 臨時コーチ就任初日の3月10日にメディアに応対したボンズは、「自身が殿堂入りするか」という質問に対して、間髪入れずにこう応えた。

【次ページ】 実績は申し分ないが、殿堂入りの投票は低調。

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