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“世界が遠い”女子パシュート4位。
スピードスケート復活に何が必要か? 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShinya Mano/JMPA

posted2014/02/23 12:00

“世界が遠い”女子パシュート4位。スピードスケート復活に何が必要か?<Number Web> photograph by Shinya Mano/JMPA

2006年のトリノ五輪以来となるメダル獲得無しに終わった日本のスピードスケート陣。レース後、田畑真紀は「オランダとものすごい差がある。深刻に考えないと」とコメントした。

「自分たちのベストを出しても勝てませんでした」

 田畑の言葉も象徴的だった。

「自分たちのベストを出しても勝てませんでした」

 個々の差は理解していた。だからこそ、昨春から合同合宿を行なうなどしてチームとしての力を高めることで勝負しようと努めてきた。パシュートは風圧による消耗を防ぐため、周回ごとに先頭が交代する。そうした部分もスムーズにすることでタイム差を縮めようとするなど、様々な工夫を凝らしてきた。

 それでも、強豪国にはかなわなかった。

 埋めきれないレベル差がある。失敗したわけでも力を出しきれなかったわけでもない。ある意味で、衝撃は大きい。

 石幡忠雄監督は危機感をあらわにした。

「今のままでは駄目だと、はっきりしています。まるっきり違う強化にしないと次はないと思います」

コーナリングなどのアドバンテージが失われつつある。

 バンクーバー五輪では銀2、銅1のメダルを獲得したスピードスケートだが、今大会はメダルなしに終わった。そこには、リンクなどの環境が日本人選手にとって決して向いていないものだったという点もある。

 ソチのリンクは、高度の低い場所にあるため、低速リンクだった。どちらかと言えばパワーのある選手の方が得意だと言われる。

 また、「氷が柔らかく感じる」という話も聞いた。その状況下では、なおさらパワー系の選手が強みを発揮できる。

 それらの条件が日本勢の成績が伸び悩んだ一因となり、かたや、今大会を席巻したオランダの活躍につながったとも言える。

 ただ、前述した影響を受けていたとしても、短距離、中長距離を問わず、総じて海外のトップクラスとの個々の差があったことは否めない。かつては小柄な日本の選手の方が得意と言われたコーナリングも、欧州の選手が苦手としなくなるなど、短距離においてもそうした技術面で有利とも言えなくなり、アドバンテージが失われてきている。ではどこで相手を上回るか、あるいは差のある部分をいかに縮めていくのかが問われていく。

 大会全体を検証すれば、さらに課題はたくさん見えてくるだろう。

 4年後へ向けて、やるべきことは多い。もう一度、スピードスケート日本代表が栄光を手にするためにも。
 

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