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「また力の限りやってみたい」
柴田未崎、36歳の騎手再デビュー。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byAkihiro Shimada
posted2014/02/15 08:20
競馬学校を卒業したばかりの“同期”と写真におさまる柴田未崎(右端)。一人だけ保護者のような貫禄を放っている。
まもなく日本の競馬サークルは、一年で最も人の出入りが激しい時期を迎える。2月末日までが旧年度で、3月1日から新年度がスタートするからだ。
今年は定年やその他の理由で引退する調教師が12人もいる。うち10人がGIトレーナーで、1983年の三冠馬ミスターシービーを管理し、先日、史上14人目のJRA通算1000勝を達成した松山康久をはじめ、メイショウマンボで昨年GIを3勝した飯田明弘、ワンダーパヒュームで桜花賞、セイウンワンダーで朝日杯フューチュリティステークスを勝った領家政蔵、オグリキャップとの「芦毛対決」でターフを沸かせたタマモクロスを育てた小原伊佐美といった伯楽が店仕舞いをする。
騎手では、快速牝馬スリープレスナイトで2008年のスプリンターズステークスを勝った上村洋行が鞭を置く。
福永、和田らと「花の12期生」だった柴田未崎。
去って行くホースマンのことを思うと寂しくなるが、彼らと入れ違いに厩舎を開業する新調教師や、これから鞭を振るう新人騎手たちに、この寂しさを吹き飛ばすような活躍を期待したい。
新規で厩舎を開業する調教師は7人。注目株は、騎手時代、メイショウサムソンで'06年の皐月賞とダービーを勝った石橋守と、本稿の前回でも触れた飯田祐史か。
新人騎手も7人。今年競馬学校を卒業した6人と、もうひとり、'11年に一度引退し、これが再デビューとなる柴田未崎である。
柴田が「一度目の騎手人生」でデビューしたのは'96年。昨年平地GI初制覇を果たした柴田大知の双子の弟で、JRA初の双子騎手として注目された。競馬学校の同期には、昨年リーディングを獲った福永祐一、テイエムオペラオーの鞍上として全国区になった和田竜二、JRA初の女性騎手となった細江純子、牧原(現・増沢)由貴子らがいる。「花の12期生」と呼ばれるメンバーのひとりである。