本命から伏兵まで。個人的、新人予想公開！

　過去10年の傾向と球団の環境、さらに選手個々の実力を総合した結果、私の（新人を対象にした）新人王予想は次のようになった。

　　　　パ・リーグ　　　　　　　　　  セ・リーグ
本命　石川歩（ロッテ）　　　　     大瀬良大地（広島）
対抗　吉田一将（オリックス）　　柿田裕太（DeNA）
穴　　浦野博司（日本ハム）　　　岩貞祐太（阪神）
伏兵　森唯斗（ソフトバンク）　    平田真吾（DeNA）

　パ・リーグは即戦力候補がセ・リーグにくらべて多く、絞るのに苦労した。その中でも石川を本命にしたのは、'13年の成長がめざましかったからだ。'12年までの石川は一言で表現すれば“観賞用”だった。非の打ちどころのないきれいなフォームから伸びのあるストレートを投げ、変化球もキレ味がよかった。それでも'12年当時、石川を高く評価しなかったのは投球フォーム以外、飛び抜けた要素がなかったからだ。

　それが、昨年は美しいフォームを維持したままストレートが力強さを増し、スライダー、シンカーなど変化球のキレもさらによくなった。投手陣に余裕のある巨人が1位で入札したところに、昨年1年間の充実ぶりを感じていただきたい。

社会人ナンバーワンの実績を持つ吉田。

　対抗に挙げた吉田も、日大時代には想像できなかった本格派に変貌を遂げた。日大時代は投球フォームがサイドハンドに近いスリークォーターだったので、オーバースローになった社会人時代以降ではそもそも形が違う。言ってしまえば急ごしらえの本格派なのだが、いつ見てもきれいな投げ方から生命線のアウトローに直曲球を投げ分ける安定感を身につけていた。

　ストレートの最速は石川の150kmに対して148kmと若干劣るが、コントロールの精度は逆に上回る。'12年の都市対抗、日本選手権、'13年の都市対抗と3大会連続準優勝の原動力になり、'13年は社会人球界のベストナインに輝いているように実績は社会人ナンバーワンと断言できる。

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