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絶賛、ゴシップ、そして「大トリ」?
韓国メディアのキム・ヨナ狂騒曲。 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byYonhap/AFLO

posted2014/02/06 10:45

絶賛、ゴシップ、そして「大トリ」?韓国メディアのキム・ヨナ狂騒曲。<Number Web> photograph by Yonhap/AFLO

代表会見では、カメラに対して不敵な笑みを見せたキム・ヨナ。果たして本大会の結果は……?

 ソチ五輪を控え、キム・ヨナに関する韓国での報道をウォッチングしてきた。1月下旬には韓国にスポーツ以外の取材で出向き、その雰囲気を感じ取ってもきた。

 その状況をざっくりと言うならば「国民的ヒロインに触れたくて、触れたくてなんとか話題を探す」といったところだ。

 当のヨナは現在、ソウルの東端にあるテヌンの通称「オリンピック選手村(トレーニングセンター)」のリンクでトレーニングを行なっている。12月上旬にクロアチアで行われたゴールデンスピン・オブ・ザグレブで復帰し、優勝。1月上旬の韓国選手権でも優勝した後、最後の仕上げに取り組んでいるというところだ。

 1月8日に朴槿惠大統領が選手村に激励に訪れたという報道がなされて以来、本人は直接韓国メディアに顔を出していない。親しい地元紙の記者に「選手村がたとえ立ち入り禁止であっても何か情報をつかもうと、メディアが近くに行くことはないのか?」と聞いてみたところこんな返事が返ってきた。

「最後のトレーニングの邪魔をしようとは思わないでしょう?」

ソチ五輪の「大トリ」と期待されているが……。

 2月に入り、各媒体がWeb上でソチ五輪の特集ページを組んだ。前回大会で金6・銀6・銅2(全出場国中5位)を獲得した韓国選手団が今回はどれほどの結果を残すか。大会全体の展望記事のなかでヨナの位置づけがよくわかる小見出しがあった。

「イ・スンフンの金の疾走からキム・ヨナの美しい締めくくりまで」

 今大会のヨナを選手団全体で位置づけるのなら「前半のスピードスケート陣に続く、後半の目玉・大トリ」といったところ。大会前半の男子5000メートルのイ・スンフン、10日に登場する男子短距離のモ・テボム、11日に登場する女子短距離のイ・サンファらが期待を集めている。

 とはいえ、この大トリがなかなかメディア取材に応じないものだから、国内メディアもたまったものではない。国内では単独でのインタビューに応じないことで知られている。

 直接言葉を引き出せる機会は共同会見のみ。筆者も前回のバンクーバー五輪前、なんとかマネージャーの連絡先を得ることに成功したが、ガードが堅くマネージャーとの面会すら叶わなかった(日本メディアだから余計に堅くなることも致し方なしか)。

【次ページ】 「何がなんでもヨナネタ」という韓国メディア。

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