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絶賛、ゴシップ、そして「大トリ」?
韓国メディアのキム・ヨナ狂騒曲。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byYonhap/AFLO
posted2014/02/06 10:45
代表会見では、カメラに対して不敵な笑みを見せたキム・ヨナ。果たして本大会の結果は……?
「何がなんでもヨナネタ」という韓国メディア。
そうなると、国内メディアは「何がなんでもヨナネタを見つけて書く」という状況になる。12月、1月の大会出場時は、ショートプログラムの際の黄色い衣装が「たくあんに似ている」と報じられ、プレッシャーを感じたデザイナーがブログを閉鎖する出来事があった。
いっぽう、最近のゴシップ的な記事はこのトピックスくらいで、あとは絶賛、絶賛、絶賛の嵐だ。4日には地上波SBSがヨナの大会後の広告価値を分析。これまでのコマーシャル出演料が1本あたり約10億ウォン(1億円)である点を根拠に「大会後、勢いに乗れば総計で100億ウォン台(10億円台)に乗る」とした。これは「動く中小企業レベル」だと。
またフランスの世界的通信社AFPが「大会の3大美女」にヨナとともに日本のスキージャンプの高梨沙羅を選定するや、多くのメディアが「高梨はどんな人物?」と紹介する一幕もあった。それほどに「ヨナ関連」のトピックスは引きがあるということだ。
インタビューで、自ら「国家代表選手」と言い切った。
そんな折、ヨナ本人の数少ない言葉が韓国メディアでも報じられた。3日、IOC(国際オリンピック委員会)が公式取材でのインタビュー内容を動画サイトを通じて公開。「朝鮮日報」「毎日経済」「スポーツ朝鮮」などの有力紙が冒頭のこのフレーズを見出しで採用した。
「(私はキム・ヨナです。フィギュアスケートをやっていますに続けて)大韓民国の国家代表選手です」
これを「感動的」と報じる媒体もあった。現地のスポーツ紙記者に聞くと、アメリカでのトレーニング生活も長かったヨナが、現役最後の大会を前にして「国家代表選手」と自分を言い切る点が印象的、というところか。
キム・ヨナは12日に韓国を出発し、ソチ入りする予定。19日、20日にそれぞれ行なわれる女子ショートプログラム、フリープログラムに出場する。