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恐ろしく密度の濃いストレート負け。
ナダルにあり錦織圭に無いものとは?
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byGetty Images
posted2014/01/21 11:30
「(メジャー大会で身体に)痛いところもなく戦えたことは、昔はなかったこと。身体が強くなっているのを感じています」と試合後にコメントした錦織。
「みんな、次のステップに行けると感じている」
錦織の父親、清志さんは「サーブと集中力に差があった」と見る。
1本で情勢を一変させてしまうサーブ、高い集中を保ちながら、大事な場面でさらにギアを上げる精神力は、確かにナダルにあって、今の錦織にはないものだろう。
それでも清志さんは、この試合から強いメッセージを受け取った様子だ。
「(コーチとの取り組みの)方向性が間違っていないことが分かった。みんな、次のステップに行けると感じているんじゃないか」
拍手に送られてコートを去った錦織は、クーリングダウンのためにジムに直行。がっくりとうなだれたまま、黙々とエアロバイクを漕いだという。「チャンスがあった分、ショックも大きい」と錦織は言う。
しかし、王者に味わわされた失意は、彼の超回復を促すに違いない。