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7年後の有望選手。
~東京五輪、陸上は黄金世代?~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

PROFILE

photograph byAtsushi Hashimoto

posted2013/12/31 08:00

7年後の有望選手。~東京五輪、陸上は黄金世代?~<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

東洋大学への進学が決定している桐生祥秀。日本人初の9秒台の夢は2014年以降に持ち越された。

三段跳・高校生初の16mジャンパーとなった山本凌雅。

●陸上競技 2013年に出た個人の高校日本記録
選手名
高校
種目
タイム(風)
昨年までの
高校記録
日本記録
桐生祥秀
京都・洛南高3年
100m
10秒01(+0.9) <1>
桐生祥秀'12年
10秒19(+0.5)
伊東浩司'98年
10秒00(+1.9)
200m
20秒41(+0.5) <3>
高橋和裕'94年
20秒57(+0.5)
末續慎吾'03年
20秒03(+0.6)
古谷拓夢
神奈川・相洋高2年
110mH
13秒92(+0.4) <15>
大橋祐二'01年
13秒98(-0.1)
谷川聡'04年
13秒39(+1.5)
山本凌雅
長崎・諫早農高3年
三段跳
16m10(+0.8) <6>
渡邉容史'97年
15m84(+0.0)
山下訓史'86年
17m15(+0.9)
潮崎傑
兵庫・滝川二高2年
八種競技
6037点
田中新也'11年
5938点
――
杉浦はる香
静岡・浜松市立高3年
400m
52秒52 <1>
柿沼和恵'92年
53秒45
丹野麻美'08年
51秒75
※< >内の数字は2013年日本ランキング。

 まず三段跳の山本凌雅(諫早農業高校)だ。10月の東京国体で16m10を跳んで、高校生として初の16mジャンパーとなった。従来の記録は'97年、渡邉容史(松山北高校)の15m84。16年ぶりの更新で、一気に26cmも塗り替えた。三段跳は戦前の五輪3連覇という栄光の歴史があるものの、日本は近年、世界クラスとの差が開く一方だった。現在、世界大会に出場する場合の最低条件である標準記録Bが16m85で、今年の日本ランキング1位は角山貴之(モンテローザ)の16m40。世界大会への出場自体が遠い目標になっている。

 山本が三段跳を始めたのは高校に入ってから。体格、技術、スピード、試合経験と、すべての面で今後伸びていくことは間違いない。前高校記録保持者の渡邉は、大学時代に16m67まで記録を伸ばしており、山本が同じだけ記録を伸ばすなら16m93が出る計算になる。三段跳の日本記録17m15('86年)は陸上競技の中で2番目に古い記録。山本には、いずれこの日本記録を更新して、東京五輪での決勝進出が期待される。

八種競技・潮崎、女子400m・杉浦にも伸びしろあり。

 2人目は八種競技で6037点の高校日本記録を出した潮崎傑(滝川第二高校)だ。八種競技は、十種競技から棒高跳と円盤投を除いたもので、日本では高校生が行なっている。使用する砲丸の重さが12ポンド(5.443kg)から6kgに変更された'06年以降で、潮崎は初めて6000点を突破した。

 まだ2年生だから、3年生になる来年は、さらに記録を伸ばす可能性が高い。身長190cm。十種競技の日本記録(8073点)を持つ196cmの右代啓祐(スズキ浜松AC)と並ぶ、文字通りの大型選手だ。十種競技への挑戦は高校卒業後の'15年からになるが、すでに短距離と跳躍は右代と肩を並べており、始めればすぐにでも日本のトップを争うだろう。'16年リオデジャネイロ五輪までに日本記録を出して、五輪代表になるのは現実的な目標だ。

 女子400mの杉浦はる香(浜松市立高校)は実に21年ぶりの高校記録更新だった。52秒52は日本選手権で出したため18歳で日本一になった。ただ、この種目は日本記録(51秒75)を1秒以上更新しないと世界大会の決勝は見えてこない。日本の女子短距離選手は20代前半でピークのくる選手が多いことを考えると、3年以内に日本記録を出してリオ五輪に出て、その後、世界のファイナリストを目指したい。

 いずれも世界のトップとは差のある種目だ。それだけにこの新星たちに注目していきたい。

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