プロ野球亭日乗BACK NUMBER
今までの横浜ナインの野球感を覆す、
カウント1-3における渡辺直人の選択。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/12/27 10:30
来季の契約更改を楽天球団と済ませた直後の12月9日、横浜への金銭トレードの通告を受けた渡辺直人。生え抜きの中心選手の放出はチーム内外に大きな波紋を広げた
個人プレーに走りがちな横浜ナインを渡辺が変える!
そして、もう一つは、橋本を驚愕させた横浜の常識を変えるために、渡辺獲得は一つのきっかけになるはずだ、ということだ。
選手が勝手気ままに野球をやる。
横浜ではカウント1-3は、一発長打を狙う絶好のバッティングチャンスだった。もちろんそれが全面的に間違いだ、というつもりはない。ただ、その選択だけならば打てれば勝てるが、打てなければダメという、これまでのスタイルからの脱却は永遠に不可能だということだ。
その横浜に風を送る存在となりえるのが、カウント1-3から“自分で自動待て”をかけられる渡辺という選手だった。
あとはこの選手のそういうやり方を、選手個々にきちっと気付かせられるかどうか。選手としての存在価値をどう評価するか。そこが2011年の首脳陣、フロントの大きな仕事になるはずである。