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5人の王者が語る「神が宿る」コース。
25度目の鈴鹿、日本GPが遂に開幕!
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byHiroshi Kaneko
posted2013/10/10 11:50
韓国GP優勝で年間タイトルに王手をかけたベッテル(写真右)。元年間王者が5人(アロンソ、ライコネン、ハミルトン、バトン、ベッテル)も揃った過酷な今シーズンを制し、4連覇なるか?
鈴鹿ではまだ優勝が無いハミルトンだが……。
ライコネンが王者となった翌年の2008年にチャンピオンとなったルイス・ハミルトンも、今年の鈴鹿に並々ならぬ闘志を燃やして臨むひとりだ。
「2009年に初めて走ったとき、これまで経験したことがないほど速いリズムで次から次へとコーナーが連続して現れたのには驚いた。通常のサーキットは1つ1つのコーナーをいかに正確に攻めるのかがポイントになるのだけれど、鈴鹿はそれにプラスして、次のコーナーを予測しながら走らなければならない難しさがある」
と、鈴鹿の魅力を語る。
ルーキーイヤーの2007年に日本GPを制したことがあるハミルトンだが、当時の舞台は鈴鹿ではなく、富士スピードウェイ。
「マシンのポテンシャルをうまく引き出すことができれば、結果は残せるはず」
と、今年の鈴鹿初勝利を胸に秘めて鈴鹿入りした。
「第二のホーム」と語るバトンと武士道精神で戦うアロンソ。
2009年の年間王者、ジェンソン・バトンは「鈴鹿は第二のホームコース」だと言い切る。「私は日本の自動車メーカーとともに成長し、いまでは日本人のガールフレンドがいる。日本は第二の母国のような場所」と語るバトンにとって、忘れられないレースが2011年の日本GPだった。
「東日本大震災があった年に行われた日本GPは、私にとって特別なレースだった。そのレースで優勝を飾り、日本の多くのファンに勇気を与えることができたことは私にとってかけがえのない経験となった。今年は私たちが苦しい状況にいるけれど、鈴鹿では無様な姿は見せられない」
と、ベストを誓う。
武士道の本を携えて訪日した2005年&2006年王者のアロンソにとっても、武士道が生まれた日本で行われるグランプリは大切な一戦だ。
「ドライバーズ選手権でリーダーを走るベッテルははるか彼方にいるけれど、可能性が残っている限り、私は決してあきらめたりしない。勝敗が決する最後の瞬間まで戦い抜く」
と、武士道精神で臨む。