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男・村田修一、夏場の大変身。
もう“乙女”とは言わせない――。 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byKyodo News

posted2013/09/11 10:30

男・村田修一、夏場の大変身。もう“乙女”とは言わせない――。<Number Web> photograph by Kyodo News

9月7日には阪神、藤浪の高校時代から続く甲子園不敗記録を「17」で止める決勝2ランを放った“男”。勢いは当分止まりそうにない。

打者の命、フォームを変える決死の賭けに出る。

 9月7日の2位・阪神との試合で藤浪から決勝本塁打を放った村田を、原監督は「レベルの高い、高級なホームラン」と手放しで大絶賛した。

 村田はこの2カ月間で別人になっていた。

 その劇的な復調は、どん底だった6月25日の広島戦から、これまで男然と高く構えていたバットのグリップ位置を、肩まで下げたことで内角球を捌けるようになったことが原因と言われている。

 シーズン中に打撃フォームを変える勇気も然ることながら、これまでのこだわりを持っていた長距離砲然とした威圧感溢れる聳え立つ高い構えを、ヘナヘナと低くするという、ある意味、ますます乙女へシフトチェンジする構えを断行した。

 不調の底で2005年と同じ「9番」で起用されたことで、原監督から無言の「次はないんじゃ!」という声を聞いたのかはわからない。が、どん底で足掻く中から、村田は打者の命ともいえるフォームを変えるという決死の賭けに出て、かつての打撃、そして“男・村田”の称号を取戻しつつある。

自称せず、結果で周囲を黙らせてこそ“男”。

 翌9月8日の阪神戦。逆転に成功し、ノーアウト一、二塁で迎えた打席。原監督は前日「高級なホームラン」を打っていた村田にバントを命じると、これを三塁横に絶妙に転がし内野安打に。この回、9点を奪うビッグイニングのお膳立てをすると、5月に懲罰交代をされた原監督への返答と言わんばかりに、試合後には「準備はできていた」と、キメる。

 男である。1点が欲しいところでの右打ちも、起死回生の一発も、まさかのバントも、華麗にこなしてしまう今の村田には、2年連続本塁打王になった横浜時代以上の怖さがある。

 そして、火曜日からは今年初の4カード連続勝ち越しで勢いに乗り、球団史上初のCS争いの最中にある古巣・横浜との対戦だ。初のCS出場へ向けて意気上がる横浜の夢を、かつて主砲として同じ夢を抱き、今は打率.403、7本塁打、得点圏打率に至っては.560という大のお得意様にしている、“男”が「4番打者」として立ちはだかる。

 男なんて自称するものじゃない。周囲を黙らせる結果を残してこそ男。このまま最後まで結果を残し続け、真の“男・村田”は定着するのか。それとも古巣に再び“乙女”にされてしまうのか。

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