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<HONDA Method> ソルティーロが本田圭佑を超える日 連載第7回 「初めての夏合宿、和倉温泉」
text by
榎森亮太Ryota Emori
photograph byHONDA ESTILO
posted2013/09/03 06:02
刺激と成長を求めて120名を超えるスクール生が参加した。
すべてが初体験の中で得たプライスレスの収穫とは。
8月5日から8日までの4日間、ソルティーロ初の夏合宿を行ないました。場所は石川県の和倉温泉。石川県といえば本田圭佑が星稜高校で、プロへの扉を開いた地です。そこで子供たちにも何らかのインスピレーションを共有してほしかった。
本田の高校時代の恩師、河崎護先生のご尽力もあり、合宿地として定評のある能登島グラウンドという素晴らしい環境で、小学1年から6年までの総勢122名が得難い体験をすることができました。
関西地区8校のスクール生はマイクロバスで移動、僕は東京清瀬校の生徒たちやスタッフとともに早朝5時半集合で特急・新幹線・在来線を乗り継ぎ、6時間かけて和倉温泉に到着しました。
“アウェー”での真剣勝負で子供たちは伸び伸びと自分を表現した。
30度を超える灼熱の中でのトレーニングはかなりきつかったはずですが、初めての土地でのスクールを超えた交流に、子供たちの目がキラキラ輝いていたのが印象的でした。
今回の合宿のテーマは「刺激と成長」。特に3日目に組んだ地元のツエーゲン金沢能登FCとの練習試合は有意義な経験となりました。“アウェー”で真剣勝負を行ない、練習とは違う厳しさを味わう――当初は、コテンパンにやられることで、悔しさをスパイスにして今後の飛躍につなげてほしいという想いもありました。ところが……。ソルティーロの子供たちは“意外にも”伸び伸びと自分をピッチ上で表現していた。
例えば、リトル本田圭佑。背筋のピンと伸びたプレーや歩き方、雰囲気などがどことなく本田を想起させる小5の彼は、身長こそ高くないものの、抜群の身体能力とサッカーセンス、何よりも闘う気持ちを前面に出していた。入校当初は、精神的に少し弱い部分もあるかなと感じていたのですが、実戦で見事に成長している姿を確認することができました。