なにわのロッベン、澤2世……プライスレスの4日間。

榎森亮太　Ryota Emori
1985年生まれ。プロを目指してドイツ下部リーグでプレーしていた時に、フェンロの本田圭佑と出会う。その後、専属マネージャーを経て「ソルティーロ」事業責任者に就任。

　あるいは、なにわのロッベン。彼は何度失敗しても、右サイドで仕掛けるという姿勢を失わなかった。指導者によってはパスを出せと叱る場面もあったかもしれませんが、この日は普段の戦術練習の成果を生かして、ポジションの選択から作戦まで選手の意思に託しました。だからこそ、自主性や個性が顕著に現れたのでしょう。

　そして、男子に混じっても、ひと際光るプレーを見せていたのが、澤穂希2世。彼女とは2対2の練習で実際に対峙したのですが、僕がプレッシャーに行った瞬間に絶妙のタイミングで横パスを出された。何気ないプレーですが、思わず心の中で「うまっ！」と叫んでしまいました。試合中も「ジダンか！」というようなドリブルやパスを連発していて、将来が本当に楽しみな逸材です。

　正直、想定以上の収穫でした。子供たちにとってもプライスレスの4日間だったはず。だからこそ、この刺激を持続させ、普段から提供できるようにすることこそが、僕たちスタッフの課題です。