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固定化するリーガの「2強とその他」。
予算差15倍に想像力で抗う心意気! 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byDaisuke Nakashima/AFLO

posted2013/08/20 10:31

固定化するリーガの「2強とその他」。予算差15倍に想像力で抗う心意気!<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima/AFLO

王者バルセロナに対して弱者の戦いを見せたレバンテだったが、7-0のスコアは残酷な現実を表していた。目線の異なる様々なクラブが共存するのがリーガの魅力でもあるのだが……。

生き残るために、必要な選手を必要なだけ獲る。

 わかりやすいのは残留争いだろう。従来のリーガでは、昇格組は1年で元いた場所に戻ることが多かった。2部から上がったばかりのクラブは予算が少なかったことが一番の原因だ。ところが、ここ数年は違う。'09-'10から'11-'12までに昇格した9クラブのうち、1シーズンで降格したのは'10-'11のエルクレスと昨季のデポルティーボだけ。残り7クラブはお金をかけることなく必要な選手を必要なだけ獲り、生き残ることに成功した。

 代表的なところでいうと、'10-'11シーズンの2部で優勝し、1部に上がってきたベティス。'11-'12は200万ユーロ以下の補強で戦い、あっさり残留を決め、最終的に13位まで順位を上げた。また昨季は265万ユーロの補強でEL出場権を手に入れた。同じく'11-'12から1部に戻っているラージョの補強費は、初年は34万ユーロで昨季はゼロ。にもかかわらず、順位はそれぞれ15位、8位である。

お金をイマジネーションで補う心意気とその限界。

 だから今日の中堅以下のスポーツディレクターは契約切れの選手をくまなく探し、ローン移籍を提案し、2部の選手市場にも目を配っている。カンテラがあるなら連絡を密にしている。

 そうやって集めた戦力でも、洞察力とビジョンと工夫さえあれば、十分に戦っていけることがわかっているからだ。

「金を積めば簡単に済む。が、我々はイマジネーションを使う」

 今季レバンテの監督に就任したカパロスの言葉は、持たざるクラブの心意気といえよう。

 ただ、いくら知恵を振り絞り、イマジネーションを使ったところで、やはり限界はある。

 開幕節、年間予算4億7000万ユーロ(約611億円)のバルサ対2830万ユーロ(約37億円)のレバンテは、7-0でバルサが圧勝した。

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