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優雅にスイートルームで球児を応援!?
夏の甲子園で欲しいサービスとは。 

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byHideki Sugiyama

posted2013/08/19 10:30

優雅にスイートルームで球児を応援!?夏の甲子園で欲しいサービスとは。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

プロ野球で1試合観戦しようとすれば、最低でも外野自由席などで1000円ほどはかかる。それが、バックネット裏で2000円という高校野球の値段は、破格というか何というか……。

スイートルームで観る高校野球に熱狂はうまれるか!?

 しかし夏の甲子園は、いまの球場の風情があるからこそ素晴らしい大会なのだともいえる。

 もし、もしもだ。新しいヤンキー・スタジアムと同じように、バックネット裏のシートが豪華で広いものに変わったら、どうなるだろうか?

 空気感が変わってしまうだろう。

 バックネット裏で陣取って観戦することで有名になった『8号門クラブ』の面々が、ゆったり観戦していたとしたら……。なんとなく「甲子園」ではなくなってしまう気がする。

 私が常々思っているのは、シートが豪華になってくると、観客の熱狂が薄らいでしまうのではないか、ということだ。スイートで観戦する人々は、試合を見ることが目的というよりも、接待などのビジネスユースが多いから、飲み、食べながらの「社交」を目的とする場合が多い。そうすると、必然的に緊張感が薄れてしまう。

 収益と、スタジアムが保ってきた雰囲気を両立させるのはむずかしいのだ。

 やっぱり、甲子園球場はいまのままでいい。

チケットの再販売などサービス向上には一考の余地あり。

 ただし、高校野球に関しては、改善できる部分はあると思う。

 ウィンブルドンでは、帰宅する観客はチケットを持って帰らずに、会場にある「リセール・ボックス」に預けてしまう人がいる。そうすると、そのチケットは外で並んでいる人たちに再び売り出されるのだ。

 高校野球では、第2試合や第3試合が終わると、家路につく人も多い。

 こうした人たちのチケットをリセールすれば、第4試合から楽しめる人たちもいるし、スタンドの雰囲気も盛り上がると思う。

 空いてきた内野スタンドで、鳴門高対修徳高戦を見ながら、私はウィンブルドンを思い出していたのである。

 そういえば、ウィンブルドンと甲子園はグリーンのシートが似ているな、と思いつつ──。

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