MLB東奔西走BACK NUMBER
来季はシカゴかオークランド?
それでも松井秀喜が自信を得た理由。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byKYODO
posted2010/10/18 10:30
今季最終戦となった10月3日のレンジャーズとのゲームで先制2ランを放ち、ベンチで祝福される松井秀喜
エンゼルスが目論むクロフォードの獲得が焦点に。
構想通りに松井がシーズンを通して主軸を担えていれば、エンゼルスは間違いなく最後まで地区首位争いをしていただろう。
その影響もあってか、シーズン終盤から日米メディアで松井秀不要論が飛び出し、オフになっても引き続いている状態だ。エンゼルス番記者の1人に話を聞いてみると、やはり“松井秀再契約”はかなり可能性が低いようだ。
エンゼルスのオフにおける戦力補強の最優先順位にあるのは、今シーズン限りでFAとなるレイズのカール・クロフォードの獲得だ。
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走攻守揃ったオールラウンド・プレイヤーで、野手では今オフのFA市場最大の注目選手。もちろんエンゼルスのみならず、ヤンキースをはじめとする強豪チームが獲得を目指しており、激しい獲得競争になるのは必至の状況だ。
松井は今季、故障を乗り越えたことで自信を深めたはず。
このエンゼルスの動きの狙いは、松井と同年齢で来年37歳になるボビー・アブレイユの守備機会を減らし、指名打者での出場数を増やしていきたいということだろう。さらにアブレイユは松井秀と同じ左打者であり、彼が指名打者で先発することが多くなれば、必然的に松井秀の存在価値は薄らいでしまう。
いずれにせよクロフォード獲得に成功すれば外野手枠は1つ減る。すると外野手最年長のアブレイユがはじき出され、松井の再契約の可能性は限りなくゼロになってしまうわけだ。
松井の移籍チーム候補として4チームの名前が考えられると件の番記者は予想しているという。
いずれもシーズンを通して任せられる指名打者が存在しない、レイズ、ホワイトソックス、ロイヤルズ、アスレチックスだ。すでに現地メディアでも、ホワイトソックス、アスレチックスが松井秀獲得に興味を示していると報じている。
果たして来シーズンの松井秀喜は何色のユニフォームに袖を通しているのだろうか。ただ、1つだけ断言できるのは、故障続きだったヒザに悩まされることなくシーズンを戦い、さらに計18試合左翼を守った。これは松井自身にとって大きな自信になったはずだ。その自信を胸に、来シーズンこそ活躍してくれることを日本のファンは期待している。