スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
オールスターと若手の洪水。
~メジャー球宴はこの大器に期待~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2013/07/14 08:01
打率も7月10日現在、リーグ6位の.318をマーク。飛躍のシーズンを送るマチャド。
2013年オールスターの出場選手が決まった。7月11日の午後4時(米国東部時間)に最終ファン投票が締め切られ、両リーグから最後のひとりが選ばれたのだ。ナ・リーグではフレディ・フリーマン(一塁手、ブレーヴス)。ア・リーグではスティーヴ・デラバー(救援投手、ブルージェイズ)。これはちょっと意外な結果だった。私はヤシエル・プイグとホアキン・ベノアが有力と思っていたのだが。
となると、両リーグの陣容をあらためて見直したくなる。
いまさらながら痛感するのは、選出選手数の増加だ。
1933年、第1回のオールスターが開催されたとき、ナ・リーグ、ア・リーグともに選出選手はわずか18人ずつだった。
もちろん、当時は球団数も少ない。各リーグ8球団ずつだったわけだから、現行の34人ずつ/30球団という数字は、比率からいうとさほど変わっているわけではない。
'69年にリーグ拡張が行われたとき、選出人数は28人に増加した。'98年のエクスパンションで球団数が30になった段階では、選出選手数も30の大台に乗せている。34人になったのは、2010年以降のことだ。
21歳以下の若手が4人も選出された球宴は史上初めて。
今季の特徴は、ビッグネームの欠場が多く、遅咲きの実力派と新鋭の進出が目立つことだろうか。マット・カーペンターをはじめとする遅咲き選手の台頭については前に述べたので、今回は若手の進出に照明を当ててみたい。
ファン投票で選ばれたプレイヤーのうち、最年少は、20歳のブライス・ハーパー(外野手、ナショナルズ)だ。ア・リーグでは21歳のマイク・トラウト(外野手、エンジェルス)が傑出している。このふたりが若手の双璧であることは、まあだれしも異存のないところだろう。
ただ、選手間投票や監督推薦の分野にまで眼を広げると、ハーパーやトラウトに肩を並べる選手はあとふたりいる。
マーリンズの先発投手ホゼ・フェルナンデス(20歳)とオリオールズの三塁手マニー・マチャド(21歳)だ。つまり今年は、21歳以下のオールスター選手が4人も出現したわけで、これは史上最多の数字になる(ちなみに、59年にはオーランド・セペダ、ジェリー・ウォーカー、ヴェイダ・ピンソンの3人が選出された。ただし、この年は2試合開催)。