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オールスターと若手の洪水。
~メジャー球宴はこの大器に期待~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2013/07/14 08:01

オールスターと若手の洪水。~メジャー球宴はこの大器に期待~<Number Web> photograph by Getty Images

打率も7月10日現在、リーグ6位の.318をマーク。飛躍のシーズンを送るマチャド。

フレッシュな若手の台頭が目立つナ・リーグの勢い。

 もう少し枠を広げてみよう。若手の進出はよりいっそう顕著になる。

 23歳:パトリック・コービン(先発投手、ダイヤモンドバックス)+ジーン・セグーラ(遊撃手、ブルワーズ)+サルバドール・ペレス(捕手、ロイヤルズ)+マディソン・バムガーナー(先発投手、ジャイアンツ)+フレディ・フリーマン(一塁手、ブレーヴス)

 24歳:マット・ハーヴィ(先発投手、メッツ)+クリス・セール(先発投手、ホワイトソックス)

 25歳:ポール・ゴールドシュミット(一塁手、ダイヤモンドバックス)+クレイグ・キンブレル(救援投手、ブレーヴス)+アロルディス・チャップマン(救援投手、レッズ)+ドモニク・ブラウン(外野手、フィリーズ)+ジェフ・ロック(先発投手、パイレーツ)

 総勢16名。登録総数は68名だから、25歳以下の選手が占める割合は24パーセントに近い。このうち、ナ・リーグの選手は12名。言葉を換えれば、鮮度が高く、勢いに乗せてみたいのは断然ナ・リーグということになる。

鉄人リプケンの後継者候補は遊撃手で起用されるか?

 ただ、私が注目する選手は、オリオールズのマニー・マチャドだ。

 ファン投票の結果を見ても明らかだが、今年、ア・リーグの遊撃手は近年まれに見る不作だった。得票1位がJ・J・ハーディ(オリオールズ。2割5分4厘、15本塁打)で、2位がジョニー・ペラルタ(タイガース。3割3厘、7本塁打)。両者とも82年生まれで、言い方は悪いが、小粒の印象はどうしても拭いがたい。カル・リプケン→アレックス・ロドリゲス→ノマー・ガルシアパーラ→デレク・ジーターと引き継がれてきた遊撃手の豪華な系譜は、ここへ来てぱたりと途絶えた感がある。

 だが、ちょっと待ってほしい。今年、三塁手として選出されたマチャドは、もともと遊撃手が本職なのだ。三塁手への転向を命じられたのは'12年の8月から。それかあらぬか、三塁線の深い位置から一塁へ送られる球は、いまでも素晴らしく力強い。7月7日のヤンキース戦でルイス・クルーズを刺したときの鉄砲肩など、今季最高の守備の見せ場だったといってもよいのではないか。

 というわけで私は、オールスター本番でマチャドが遊撃に起用されることをひそかに期待している。同じ球団のハーディは、'14年いっぱいでオリオールズとの契約が切れる。つまり、'15年以降、マチャドがオリオールズの正遊撃手として鉄人リプケンの後継者に名乗りを挙げる可能性はかなり高い。大器が、順調に育ってくれると楽しいのだが。

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