下位指名入団の野手たちも、モノになる確率は高い。

　社会人では実は野手層も充実している。

　知名度がないので下位指名されることがほとんどだが、確実に戦力になっているという点では高校生、大学生をはっきり凌いでいる。過去5年間、3位以下で指名されたのは次の19人だ。

'08年……新田玄気（ヤクルト5位）、楠城祐介（楽天5位）
'09年……市川友也（巨人4位）、清田育宏（ロッテ4位）、大島洋平（中日5位）
'10年……荒波翔（横浜3位）、宮崎祐樹（オリックス3位）、川崎成晃（ヤクルト6位）、熊代聖人（西武6位）
'11年……比屋根渉（ヤクルト3位）、庄司龍二（オリックス5位）、小島脩平（オリックス7位）、松井飛雄馬（横浜7位）、川端崇義（オリックス8位）
'12年……下水流昂（広島4位）、小豆畑眞也（阪神4位）、赤堀大智（DeNA 4位）、島井寛仁（楽天5位）、宮崎敏郎（DeNA 6位）

　'08～'11年の2年目以降では、楠城、市川、庄司、小島、飛雄馬以外、何らかの形で戦力になっているのである。この社会人野手の実戦力は、もう少し重視されていいと思う。

“プロ注”のドラフト候補以外にも好選手が埋もれる。

　7月12日からスタートする都市対抗で注目されている野手をポジション別に紹介しよう。

◇捕手
川辺健司（ヤマハ）、小林誠司（日本生命）
◇内野手
石岡諒太（一塁手・JR東日本）、井上晴哉（一塁手・日本生命）
◇外野手
井領雅貴（JX‐ENEOS）、小田裕也（日本生命）

　彼らはいわゆる“プロ注”（プロ注目選手）と言われるドラフト候補だが、越前一樹（外野手・NTT東日本）や永松泰典（鷺宮製作所→JR東日本に補強）のように、無名の中にも好選手はいる。

　晴れ舞台の都市対抗が甲子園出場を懸けた高校野球の都道府県大会と日程がダブる最悪の状況が2年続いているが、私は都市対抗の会場、東京ドームに2回戦までは日参して、なるべく多くの選手を確認したいと思っている。それくらい都市対抗には魅力がある。

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