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<女子プロゴルフ後半戦展望> 小林浩美LPGA会長 「世界と互角に戦えるプレイヤーが出てきてほしい」
text by
吉井妙子Taeko Yoshii
photograph byToshiya Kondo
posted2013/07/11 06:01
森田理香子(RIKAKO MORITA)岡本綾子門下生の森田は、2位に3000万円以上の差をつけ、賞金ランクトップを独走している。
今シーズンは'90年代生まれの森田理香子、堀奈津佳、比嘉真美子などの若手が台頭し、全美貞、佐伯三貴、横峯さくらなど実力者たちの間に割り込んできた。
7月5日から開催された日医工女子オープンで、年間36試合のうち18試合が終了。日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長が前半戦を振り返りながら、後半戦の見所を語った。
突出した選手が出てこないくらい、選手の実力が拮抗している。
ほんの数年前までは、横峯さくら選手、有村智恵選手、諸見里しのぶ選手、全美貞(ジョン・ミジョン)選手の4人で20勝以上していたシーズンもありました。ところが昨シーズンあたりから、誰が勝ってもおかしくないくらい混戦となり、初優勝する選手も7~8人出てきたんです。
裏を返せば、突出した選手が出てこないくらい、選手たちの実力が拮抗しているということでもあるんです。
今年のトップ戦線は混戦ですね。いくら私が会長だからって、今シーズンの賞金女王を予測するのは困難です(笑)。
ファンの方々にとっては、今の状況は魅力的だと思います。現在、ツアーに参戦しているシード選手の平均年齢は26.7歳。みんな個性的で可愛いし、なによりもカッコいい。社会の価値観が多様化している時代に、今の女子ゴルフ界はマッチしているんじゃないかと思いますね。
20代前半の選手のプロ意識が高いのは宮里藍の影響が大きい。
20代前半の選手たちが台頭し、しかもプロ意識が高いのは、宮里藍選手の影響が大きいと言えるでしょう。ちょうど彼女たちがゴルフを始めた子供の頃に“藍ちゃんフィーバー”が起き、自分の未来の姿を藍ちゃんに重ね合わせた世代なんです。高校時代に初優勝を遂げ、史上初の高校生プロゴルファーとなり、一気にトップへと駆け上がった藍ちゃんの姿に刺激され、“10代でも勝てるんだ”と感じただろうし、彼女からメリハリの利いた聡明な受け答えも学んでいるはずです。
同時に、石川遼選手にも影響を受けたでしょうね。最近の若い選手はみな、肝っ玉が据わっているうえに負けず嫌い。立ち居振る舞いも爽やかなんですよ。