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イタリアGPに見たレース哲学の違い。
F1で優先されるのは勝利か速さか?
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byHiroshi Kaneko
posted2010/09/14 11:55
実はランキングほど差が無い上位3チームの優勝戦線。
こうして、タイトル争いを演じている3チームのフィロソフィを見ていると、トップに立っているレッドブル(ウェバー187点)と2位のマクラーレン(ハミルトン182点)に大きく差を付けられている3位のフェラーリ(アロンソ166点)との間に、数字ほどのギャップがないことがわかる。
レースは速い者が勝ち、結果としてポイントを多く獲得した者が年間チャンピオンに選ばれるという考えがマクラーレンとレッドブルなら、勝った者こそが最も速く、年間チャンピオンは自ら獲りに行くものだというのがフェラーリ。
F1はヨーロッパを代表する文化であり、文化にはそこに生きる人間たちの濃密な思想がそれぞれに息づいている。
ヨーロッパラウンド最終戦となった今年のイタリアGPでは、三者三様のフィロソフィが見られた。60周年を迎えた今年のF1を制するのは、どのフィロソフィとなるのだろうか。