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プロ3戦目で賞金王候補の松山英樹。
青木功、藤田寛之も認めた真の実力。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO

posted2013/05/08 10:30

プロ3戦目で賞金王候補の松山英樹。青木功、藤田寛之も認めた真の実力。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/AFLO

中日クラウンズ優勝をあと一歩で逃した松山は世界ランク90位に。米ツアーで頑張る石川はその活躍ぶりに「いつかこっち(アメリカ)の大会に出るチャンスがあればぜひ来てほしい。どこの舞台でもいいので優勝争いを一緒にしたいので」とコメントしている。

藤田は無限の伸びしろを秘めた未完成の魅力を推す。

 さらに言えば、日本ツアーで18ホールの総距離が最も短い中日クラウンズでの戦いでは、大変な硬さに仕上げられたグリーン上にボールを止めきる高弾道のアイアンショットにも注目が集まった。

 契約締結を虎視眈々と狙うメーカー担当者たちは言う。松山のショットはスイングスピードも、ボールスピン量も、打ち出し角も、もちろん日本のトップ選手の部類には入るが、何かが取り立てて際立っているわけではない、と。けれど「アイアンショットの音が違う。ボールがフェースに接地している時間が長いのではないか」と。

 そして「スイングも、マネジメントもとにかくまだ粗削りのところが良い。まだ何も完成されていないというところが魅力的」と評すのは藤田寛之。20歳以上も年下のプレーを目にして、その無限の伸びしろを素直に喜んでいた。

I.J.ジャンは「松山くんは“昔の遼くん”みたい」と指摘。

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 ところで、本人たちは嫌悪感を示すかもしれないが、松山と石川遼との関係は今のところ切り離すことができない。同学年の2人の現在、未来は大方の人間だけではなく、同業のプロたちにとっても関心事。

 松山を絶賛した宮本は「日本のタイガー・ウッズになるかもね」と言った。けれどすぐに笑って続けた。「こんなこと遼の時にも言ったかな……」。そして「遼にはアイドル性と、カリスマ性がある」と。

 中日クラウンズで松山と予選ラウンド2日間をともにした韓国ベテランのI.J.ジャンによれば「松山くんは“昔の遼くん”みたい」だそう。「いつも全然迷わないでスイングする。思い切りがいいし、シンプルにプレーしている。最近の遼くんは、いつも何かを考えているみたいでしょう?」。

 プロとアマというフィールドで何かと比較された2人は今年、米国と日本のシード選手と立場を変えてしまった。同い年であり、マスターズにも2度、一緒に出場した。しかし、伸び盛りの10代を形成してきた環境は大きく異なる。

 昨今の右肩上がりの評判ばかりの松山と、その正反対の「結果」に終始している石川を純粋に比較するのは、少しばかり時期尚早なのだろう。それでも近い将来に、2人がともに高いレベルのステージに立つことが期待されている。

【次ページ】 素っ気ないマスコミ対応に松山の戸惑いが見え隠れする。

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