野球善哉BACK NUMBER
報徳・田村、京都外大西・松岡……。
甲子園を沸かせる1年生の逸材たち。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/08/02 12:30
メディアのスター作りに振り回される甲子園の選手たち。
近頃はメディアによるスター作りが進んでいる。そのため、それに振り回される選手が少なくない。「清原2世」と1年夏から騒がれたPL学園の勧野甲輝も、伸び切らなかった。指導者の育成方針を含めて、大事に扱っていかなければならないのだ。報徳学園の永田監督はいう。
「モノがいいから、潰すわけにはいかない。田村に関しては、入学してからはずっと球数を制限して使ってきました。20球から始まって、30球、50球、今は90球くらいがメド。6回を完全に抑えた時も代えました」
エース格の田村、甲子園には出場するが3番手の位置づけにある松岡、甲子園には出られない青山……。他にも今年の地方大会には1年生の怪物が何人か現れたと聞いた。田中将大(楽天)、斎藤佑樹(早大)は1年夏の甲子園には出ていない。そういう高校野球の中での遅咲きも(田中は遅咲きではないが)生まれてくるだろう。
この夏に出会った関西の3人の逸材と、将来に出てくるかもしれない新たな逸材のせめぎ合い――。颯爽と出現した逸材をみながら、これからの3年間が楽しみになった。