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英メディアによる評価の理由とは?
“リンクマン”香川真司にかかる期待。
text by
鈴木英寿Hidetoshi Suzuki
photograph byGetty Images
posted2013/04/26 10:30
アストン・ビラ戦で優勝を決めたマンチェスター・ユナイテッドイレブンと香川。この試合の77分、香川は決定的なチャンスを迎えたが、シュートはゴールバーを超え、自らのゴールで優勝に花を添えることはできなかった。
『テレグラフ』は「頼もしく見えてきた」と評価。
最高点数はファンペルシの「9」で、これに並ぶのはキャリックのみ。最低点の「5」は『タイムズ』よりも2人多い7人。そういった中で、香川は「7」という点数を与えられている。これは同じ攻撃的MF/FWで比べると、ウェイン・ルーニーの「6」やバレンシアの「5」よりも高い評価だ。
同紙はこう評している。
「日本代表ミッドフィルダーの今季の輝かしいシーズンは、怪我により頓挫してしまった。だが、再び頼もしく見えてきた」
本稿を執筆している第34節終了時点ではリーグ戦でのゴール数は5にとどまっている。昨季のドルトムントで二桁ゴールを記録した本人からすれば、自身が設定した目標からは遠く及ばないに違いない。
それにもかかわらず、なぜイングランドの地元メディアは、そのシーズン総括に及第点、もしくは及第点以上の点数を与えているのか。そして、来季以降に大きく期待しているのか。
FWとMFの間に位置する“リンクマン”としての新時代を開く!
その理由は、優勝決定戦のアストン・ビラ戦で披露した「Linkman(リンクマン=FWとMFの間に位置する“繋ぎ役”)」としての質の高い動きを分析した上で、香川のプレーがユナイテッドの新時代を切り開いてくれると評価しているからだろう。だからこそ、ファーガソン監督も、アストン・ビラ戦では4-2-3-1のトップ下として、フル出場させたのではないだろうか。
アシストや味方を生かすプレーにおいては、だいぶリズム感が出てきたのでは?
そう問いかけると、香川はこう答えてくれた。
「いまの時期は楽しくサッカーしているし、ようやく自分とチームがかみあってきている感じがします」