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ベッテルが逆ギレし、ウェバー沈黙!?
レッドブルの終わらない序列騒動。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byAFLO
posted2013/04/19 10:30
中国GP決勝でマシンから右の後輪が脱落。信じられないようなチームメカニックのミスに、茫然とするウェバー。
「やり直したい。マークにも謝らなければならない」
ベッテルも当初は、次のように謝罪していた。
「僕はミスをした。もう一度チャンスを与えられるなら、やり直したい。マーク(・ウェバー)にも謝らなければならない。2位に留まれという指示があったけど、故意に無視したというわけではない。あのとき、もう少し冷静だったら、あのように攻撃はしなかっただろうし、あんなリスクは冒さなかった。過去にあのような状況では僕たちは戦う傾向にあったから、誤解してしまった。だからヘルメットを脱いで、マークからの非難を受けたとき、まるで稲妻を喰らったようだった。やり直すことができるなら、今度は2位を受け入れるだろう。今夜は簡単には眠れそうにない」
そして、イギリス・ミルトンキーンズのファクトリーを訪れ、チームスタッフに謝罪し、二度とあのような行動は繰り返さないとも誓った。
一転、「彼にはサポートされる資格はない」とベッテルが逆ギレ?
ところが、それから3週間後の中国で、ベッテルは180度、態度を変えた。
「チームより自分を優先したことについてはみんなに謝った。でも、勝ったことを謝るつもりはない。そもそも、僕は勝つために雇われているわけだし、そのためにここにいる。僕はレースが大好きで、そのレースをしただけだ。もちろん、葛藤はある。チームの決定は尊重されなければならないことは僕だってわかっている。でも、マークはあのときにそうしてもらう資格のある人間ではない。なぜなら、僕は彼にサポートしてもらったことがないから。だから、もし再び同じようなメッセージを受けたとき、つまりマークに1位を守らせ、僕が2位でフィニッシュするということを考えたとき、やっぱり僕は3週間前と同じことをするだろう。彼をレーシングドライバーとしてとても尊敬しているけど、彼は今まで何度かチームを助けることができる状況にいながらそれをしなかったから」
何がベッテルの心を変えたのか。それはわからない。