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テニス日本代表、デ杯で韓国を撃破!!
錦織不在も添田、伊藤に見えた成長。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byGetty Images
posted2013/04/09 11:30
韓国との2勝2敗で迎えた大会最終日の最終戦。日韓代表チームの雌雄を決するこの試合で完勝し、スタッフらと共に喜びを分かち合った伊藤。
4月5日から7日まで東京・有明コロシアムで行なわれた男子テニスの国別対抗戦、デビスカップ日本対韓国戦(アジア/オセアニアゾーン1部・2回戦)で、日本は3勝2敗の勝利を収め、ワールドグループ・プレーオフ(入れ替え戦)進出を決めた。
初日のシングルスで伊藤竜馬と添田豪が連勝。第2日のダブルスで守屋宏紀/内山靖崇ペアが完敗し、最終日のシングルス第1試合でも添田が敗れて2勝2敗となったが、第2試合で伊藤が快勝し、韓国を下した。9月に行なわれるプレーオフに勝てば、来季、日本は2年ぶりにワールドグループに復帰する。
韓国戦は世界ランキング15位(4月1日現在、以下同)の錦織圭を欠く戦いだった。植田実監督は錦織がメンバーを外れた理由を「左脇腹のケガ」としたが、それがなかったとしても錦織がメンバー入りする可能性は低かっただろう。
昨年の4月下旬、錦織は腹筋を痛めてツアーを離脱、全仏を含む欧州のクレーコートシーズンをほとんど棒に振った。年末のオフ期間に十分トレーニングを積んでいても、1月からの連戦で体力の蓄えは目減りしていく。疲労の蓄積が腹筋痛に集約されたと見るべきだろう。同じ轍を踏まないようにと、今季は春先にトレーニング期間を設け、体を作り直すプランを立てた。2月の試合でまたも脇腹を痛めたのは誤算だったが、いずれにしても3月末からの数週間は体力づくりのために費やすつもりだったのだ。
錦織が欠場しても、彼を支援する雰囲気が代表チームにはある。
チームには錦織欠場を容認できるだけの戦力もあった。
世界ランキング86位の添田豪と、同101位、伊藤竜馬という2枚看板がいたからだ。昨年の全米で四大大会初出場を果たした守屋(同172位)もいる。アジア/オセアニアの地域予選を勝ち抜くには十分な陣容と言える。
錦織は2月のインドネシア戦に続く欠場だったが、それをデ杯軽視と非難する空気はこのチームにはない。錦織は今、世界ランキング・トップ10を視野に入れ、厳しい戦いに身を置いている。個人戦を優先し、ハードスケジュールを強いられるデ杯をスキップするのは仕方がない、チームメートはそう理解しているはずだ。
では、なぜ添田や伊藤はデ杯を選ぶのか。
毎日がランキングとの戦いであるのは彼らも同じ。デ杯の地域予選では、勝ってもランキングポイントはもらえない。にもかかわらず、なぜ、日の丸を胸にプレーするのか。