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浅尾に代わるWBCの守護神が必要!?
選手選考で難問山積の山本監督。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2013/02/16 08:02
代表キャンプ初日は、朝9時半から練習が始動。ランチタイムを挟んで14時過ぎまで練習は続いた。「初日としては、まずまずでございます」と山本監督。
合宿の現場では、不調の浅尾が落選候補との噂が。
チームは現在の代表候補33選手から、17、18日の練習試合を経て、最終代表28選手への絞り込みを行う予定だ。そのため投手は2名、野手は3名がフルイにかけられて、メンバーを外れることになる。
「いまはずっとそのことで頭が一杯です」
山本監督もこの日、絞り込み作業の難しさをこう話していた。
その中で初日の練習を終えた時点で、浅尾が落選候補に急浮上しているのではないか、という情報が宮崎では飛び交っている。
その背景には山本監督の苦い思い出がある。
コーチとして星野仙一監督をサポートした北京五輪で、ケガを抱えていたソフトバンク(当時)の川崎宗則内野手をムリしてチームに帯同させた。しかし、結果的にはほとんど戦力として使うことができずに、チームの総合力を落としてしまった。
どんなに優れた選手でも、コンディションが悪ければ使えない。
戦力が限られる国際大会では、どんなにいい選手でも、コンディションが悪ければ、ムリして帯同することはマイナスになる。
それが北京の教訓だった。
そのために、今回の選手選考では、少しでも体調に影のある選手は、たとえ代表としての顔があったとしても、最終メンバーからは外すという方針を打ち出している。
要はこのまま浅尾が肩の不安を抱えたままだと、クローザー候補として期待していた浅尾といえども、最終メンバーから外さざるを得ないことになるのだ。
「投手の役割分担に関しては、色々なケースを想定して、ピッチングコーチとは相談しています」
初日の練習を終えた山本監督は、投手陣の編成を聞かれると、こう答えた。
それは当然、浅尾の肩の状態が回復しないケースを予測し、他のクローザー候補も考えているということだろう。