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闘将コンテ復帰のユベントスが独走!?
ピルロを先頭にスクデット&CL獲りへ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2012/12/22 08:02
12月9日の16節パレルモ戦で、今季初となる采配を振るったコンテ監督(中央)。1-0で勝利した復帰戦を喜んだ。
2位インテルに勝ち点7差をつけている首位ユベントスが、2節を残して前半戦の首位を確定し、セリエA“冬の王者”に就いた。
リーグ最少失点の守備力と得点ランク2位の攻撃力をもって、“貴婦人”はスクデット連覇へひた走る。現地ブックメーカーは、早々と2位予想への賭けを受け付け始めた。
闘将コンテもついにベンチ復帰を果たした。
12月9日の16節パレルモ戦で5月20日以来となる実戦采配となった指揮官は、復帰戦を白星で飾ると「芝の匂いが恋しかった」と、数カ月の長きにわたった辛い思いを吐き出した。
開幕前に執行された八百長事件関与疑惑による監督資格停止処分は、10月初旬、ユベントス法務部の尽力によって大幅に軽減された。資格停止期間中も練習指導は許されていただけに、週末のグラウンドに立てない期間は、本人曰く「痛みそのもの」だった。
コンテの腹心として指揮を執った2人の代理監督、カレーラとアレッシオは、正指揮官復帰までの国内外合計22試合を15勝5分2敗という好成績で任務を果たした。優勝監督不在というピンチに、期待の若手MFポグバからベテラン守護神ブッフォンまで新旧の選手たちも一丸となった。
とりわけチーム2年目の司令塔ピルロは、今季も別格の存在感を見せている。33歳になっても右足の切れ味は鈍るどころか、ますます冴え渡る一方だ。
「メッシが何千ゴール決めようとも、私のバロンドールはピルロ」
アタランタ戦では、シーズン4発目となる華麗なFKゴールを決めた。
指揮官も「メッシが何千ゴール決めようとも、私にとってのバロンドールはピルロしかいない」と絶賛。5点目を奪えれば、クラブのシーズンレコードを持つ2人の偉大な“10番”、プラティニとデル・ピエーロに名を連ねる。
しかし、円熟のピルロは焦らない。
「守りに入らず、攻めながらチームのリズムをキープする。そして、何より楽しむのが大事さ」