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ラグビー日本代表が
欧州遠征で得た収穫。
~世界トップ10へ、継続の到達点~
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNobuhiko Otomo
posted2012/12/12 06:00
ルーマニア戦、グルジア戦ともに先発出場した田中(中央)と堀江。
タフになった。ラグビー日本代表の欧州遠征、ルーマニア、グルジアとのテストマッチを取材し、日本代表にとって初となる欧州でのアウェー戦勝利を見届けた感想である。
何より光ったのは、攻守両面で見られたディシプリン(規律)の高さだ。相手のアタックが5次、10次と継続しても、反則せず、体を張って守り続ける勤勉で頑健なディフェンス。相手がミスを犯せばすぐさま速攻に移り、イチかバチかのギャンブルでトライを取り急ぐことなく、我慢強く攻撃を継続する。
とりわけ、前後半とも終了直前に見せた猛攻には現在のジャパンの到達点が現れていた。ルーマニア戦は前半ロスタイムに、相手キックオフから小刻みにボールを繋ぎ、PKの速攻を挟んで14のフェイズを重ねてNO8菊谷崇がトライ。後半36分には16次攻撃まで攻め続けてWTB小野澤宏時がトライ。グルジア戦は前半ロスタイムに自陣ゴール前のPK速攻から7つのフェイズを重ねて小野澤がフィニッシュ。後半ロスタイムも自陣のPKから10のラックを連取して、最後はSO小野晃征が劇的なサヨナラDGを蹴りこんだ。