MLB東奔西走BACK NUMBER
ジンクス通りに敗れ去ったタイガース。
ワールドシリーズの隠れた法則とは?
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2012/11/02 10:31
ワールドシリーズまでは圧倒的な戦力で勝ち上がってきたタイガースのジム・リーランド監督。1997年に創設まもないフロリダ・マーリンズの監督としてワールドシリーズを制覇した名監督も、2006年に続き、今シーズンもタイガースを世界一に導くことはかなわなかった。
ワールドシリーズで2度も辛酸をなめた名将たち。
リーランド監督は2度辛酸をなめた。同じく、アスレチックスが'88、'90年のワールドシリーズに出場した時の監督はトニー・ラルーサ。彼はこの2回とも敗れている。両監督ともワールドシリーズを制覇した経験を持つ名監督であるにもかかわらず、短期間での立て直しは難しかったわけだ。
同じ短期決戦でもサッカーのワールドカップの場合、予選ラウンドがある分優勝を狙うチームの監督はチーム状態をうまく調整し、選手を交代しながら戦うことができる。しかしMLBのプレーオフの場合は一発勝負なので、必然的にすべてのシリーズを全力で戦うしかない。ワールドシリーズを睨んで、リーグ優勝決定シリーズでスイープを回避するような戦い方をするなんて不可能だろう。
それらすべての要素が混在しているプレーオフ。
故に一筋縄ではいかないドラマが常に潜んでいるのだ。