欧州サムライ戦記BACK NUMBER

敵地でアーセナル撃破しB組首位へ。
シャルケと内田が掴んだ手応え。  

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTomoki Momozono

posted2012/10/25 15:05

敵地でアーセナル撃破しB組首位へ。シャルケと内田が掴んだ手応え。 <Number Web> photograph by Tomoki Momozono

試合後にはシャルケ・サポーターからの「ウッチー! ウッチー!」というコールが鳴り響いたCLのアーセナル戦。フル出場で攻守に大活躍した内田自身にとって会心のゲームとなった。

ハーフタイム、シャルケのロッカールームに響いた怒号。

 さらなる見せ場は、43分だった。

 ボランチのノイシュタッターがボールを持ったとき、相手のプレッシャーはかからない。それでいて、アーセナルDFのラインは高い。シャルケの2列目、3列目にいる選手にとっては最高のシチュエーションだ。

 内田が右サイドに勢いよく飛び出していくと、そこにパスが出てくる。丁寧かつ大胆なトラップでボールをコントロールした内田が右サイドを運び、フンテラールへ絶好のクロスを送る。しかし、フリーで放ったシュートは右に外れる。フンテラール、内田ともに頭を抱えて、悔しがる。

 序盤こそペースを握られながらも、途中からはしっかりと戦えるようになった。アウェイでの戦いであることを考えれば、まずまずの前半であるように思えるのだが……。

 ハーフタイム、シャルケのロッカールームには怒号が響き渡った。

「もっと、やれるだろ!」

「もっと、走れるだろ!」

「勇気をもって、前に出て行け!」

 その理由をステフェンス監督が明かしている。

「私は前半の出来には満足していなかった。あまりに受け身なプレーを見せていたからだ」

 内田が振り返る。

「ハーフタイムに目茶目茶怒られたからね、それが効いたかな(笑)」

後半に入って、シャルケの選手たちのプレーは圧巻だった。

 後半からヘーガーに代わり、ボランチの位置に入った“番犬”ジョーンズも気合をみなぎらせていた。

「ドルトムント戦ではマルコ(ヘーガー)が良いプレーを見せた。だから、彼が先発だったのも受け入れられたぜ。でも、後半から試合に出るチャンスをもらえて、俺は心底、喜んだんだ」

 後半に入ってからのシャルケの選手たちが見せたプレーは圧巻だった。

 前線から相手に激しくプレスをかけていく。アーセナルがGKまでパスを戻せば、前線で守備をするフンテラールやホルトビーが飛びかからんばかりの勢いで寄せていく。ボールを奪えば、そこから鋭いカウンターを繰り出していく。

「(トップ下の)レビス(ホルトビー)があれだけの守備をしてくれるので。そこは効いてくるよね。だから、後ろの選手は楽だよね」

 内田も、攻撃的ポジションの選手たちの貢献をたたえた。

【次ページ】 「ダービーで勝利してから僕らは凄い自信をつけたんだ」

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