「ダービーで勝利してから僕らは凄い自信をつけたんだ」

　あるいは、GKのウンナーシュタル。ピッチの最後列からチームメイトの戦いぶりを見守る彼には、確かな手応えがあったという。

「この前のダービーで勝利してから、僕らは凄い自信をつけたんだ。もちろん、その自信がヨーロッパの大会のホームゲームで強さを発揮するチームを相手に戦うときに助けとなるんだ」

　後半5分にコーナーキックのこぼれ球に反応したヘベデスがフリーでシュートを放つ。これはクロスバーを越えてしまったが、これ以降、シャルケがサイドを深くえぐり、クロスを送りこむ展開が続く。でも、ゴールは遠い。フィニッシュの精度が高くない。じりじりと時間が過ぎていく。そして、後半31分――。

　内田が右サイドから上げたクロスはDFにあたり、中央に飛ぶ。ノイシュタッターがヘディングで触り、さらにアフェライがヘディングで前に送る。相手DFラインの乱れたところで受けたフンテラールが、一瞬の隙をついてこのボールをゴールに蹴り込んだのだ。果敢に相手陣内へと攻め込みつづけ、それがついに実を結んだ瞬間だった。

　前半から良いクロスを入れ続けながら、なかなかゴールに結びつかないシーンを目の当たりにしていた内田はサラッと語る。

「サッカーは、よくわからないですよ。事故じゃないけど、ああいうので入るし、前半みたいにきっちり崩しても入らない。でもね、ジャブじゃないですけど、その繰り返しが大事だと思います」

反撃を完全に抑え込み、アウェイでの戦いを確実にものにした。

　最初のゴールさえ決めてしまえば、この日のシャルケに怖いものなどなかった。

　後半41分、こぼれ球を拾ったジョーンズがボールを前に運んでいき、カウンターが始まった。右サイドの裏に出されたボールにファルファンが反応して、サイドをえぐるとファーサイドにクロスを送る。フリーで走り込んだアフェライが、しっかりと合わせて、2点目。

　これで勝負は決まった。

　相手の反撃もしっかりと抑え込み、アウェイでの戦いを2－0でしっかりとものにすることが出来たのだ。

【次ページ】　選手達の自信と共に、ついにグループ首位の座へ。