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フットサルW杯に向けて視界は良好!
チームメイトが語る、カズの“初陣”。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byDaiju Kitamura/AFLO SPORT
posted2012/10/25 11:35
10代の一時期を過ごしたブラジルの国歌と君が代の両方を聞くことになったカズ。「ジーンと来ました。両方とも幸せな時間でした」とコメントした。
「カズさんがこれぐらいできるのは、分かっていた」
国際Aマッチ出場数がチーム2位タイの村上哲哉は、「さすがですよね」と切り出した。
「練習に取り組む姿勢が素晴らしいですし、日を追うごとにスピードにも慣れていると感じていました。初めてのゲームでこれだけできるんですから、改めてすごい選手だと思います」
先発の一角を担った星翔太も、村上に同調する。彼もまた、「さすがです」と頷いた。
「カズさんがこれぐらいできるのは、練習からみんな分かっていたと思います。もちろんブラジルは練習とレベルが違いますけど、攻撃でもチャンスに絡んでいましたからね」
カズの加入に伴うチームの変化に触れるのは、主軸のひとりである小宮山友祐だ。32歳の彼は、今回が3度目のW杯出場となる。
「チームが安定する時間が、絶対的に増えたと思います。落ち着いていますし、キックインでもCKでも判断を間違わない。一つひとつのプレーが、チームに勢いを与えてくれると思います」
試合後の取材でも、まったく気の緩みを見せなかったカズ。
カズ自身は、ほとんど表情を崩さなかった。
笑顔が浮かんだのは国歌斉唱に話題が及んだときだけで、「全力を尽くすだけでしょう」と語っていた前日と同じように、引き締まった顔つきで試合を振り返る。
「前半に出てすぐのシュートは、フットサルの難しいところでね。いつ入るのか分からないから、アップの仕方が難しい」
そう言ってカズは、腰のあたりで右手首をまわす。ウォーミングアップのペース配分を、頭のなかでイメージしていた。
「もっとペースが上がった状態で入っていたら、もっといい感じで加速していけた。それがちょっと大変だったけど、それでも試合の入り方としてはすごく良かったと思う」