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<闘将、日本代表への提言> ドゥンガ 「W杯で求められるのは“強豪”としての自覚だ」
text by
竹澤哲Satoshi Takezawa
photograph byKeita Yasukawa
posted2012/10/31 06:00
主将として、そして監督としてサッカー王国の代表を支えた男は、
かつて自らがプレーした日本のフットボールを今も見守り続けている
闘将がザックジャパンに伝える世界と闘うために必要な心構えとは。
かつて自らがプレーした日本のフットボールを今も見守り続けている
闘将がザックジャパンに伝える世界と闘うために必要な心構えとは。
日本代表の試合は今でも必ずチェックしているよ。それは私が日本でプレーをしていた'95年から変わっていない。結果はどうだったのか、どのような戦いをしたのか、常に関心を持って見ている。
なかでも9月のW杯予選イラク戦では日本の成長が見て取れた。
これまでの日本は、「ドーハの悲劇」に象徴されるように、いい試合をしながらも最後でミスをして負けることが多かった。
例えば'06年ドイツW杯でオーストラリアに負けた試合がそうだ。日本は80分間いい試合をしながら、最後の10分間ですべてを失ってしまった。あの時の日本は、相手がそれほど強くないオーストラリアだったので、チーム内に油断が生まれ、逃げ切るべき展開のなかでも攻撃を志向していた。コンフェデ杯や親善試合などで、ブラジル、イタリア、ドイツといった強豪を相手にしたときとは明らかに戦い方が異なった。攻守のバランスを失い、強豪を相手にしたときのオーガナイズされたチームは姿を消していた。相手が変わろうと同じ戦い方ができなければだめなんだ。
ブラジルでは「弱小チームのように守り、ビッグクラブのように攻撃すべきだ」とよくいわれる。謙虚さと積極さの両方を持たなければいけないという意味だ。