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広島・佐藤寿人がザックジャパンへ!
招集直前に語っていた代表への想い。 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byAFLO

posted2012/10/12 10:30

広島・佐藤寿人がザックジャパンへ!招集直前に語っていた代表への想い。<Number Web> photograph by AFLO

ゴールを決めるという本質に特化した佐藤寿人は、まさに純粋なストライカーと呼ぶに相応しい。代表でもその得点力を発揮できるか。

理想を追求しながらも結果を残せば、代表への道は開く。

 しかし決して諦めたわけではなく、おそらく達観に近い感覚を持って、寿人は日本代表と自分の距離を見極めてきた。自分は指揮官が求めるFW像に当てはまらない。それでも代表への思いが途絶えたことはない。ならば自分が理想とするFW像を追及し続け、何よりFWとして求められる“結果”を残し続ければいい。そうすれば必ず、いつかチャンスが巡ってくる。

 周知のとおり、今季のJリーグにおける寿人の活躍は特筆に値する。9年連続の2ケタ得点は前人未到の快挙であり、チームはリーグタイトルを視界に捉えてクライマックスを迎え、独走する得点王レースはこのまま首位で終えるだろう。ゴールを奪うというFWの本来的な役割だけを考慮すれば、彼が国内最高のストライカーであることに疑いの余地はない。

「代表に入るためにサッカーやってるわけじゃないですからね。でも、日本代表というチームがある以上、そこに入りたいという気持ちは当然あります。世界を相手に戦いたいという気持ちは、一度代表を経験しているからこそ強い。だから、まあ、1度も呼ばれない、親善試合でさえもチャンスをもらえないっていうのは、ちょっと寂しいかなと(笑)」

 インタビュー終了から数時間後に発表された欧州遠征のメンバーリストに、またしても寿人の名前はなかった。

 ところが数日後の10月9日、前田遼一の故障離脱という一報とともに、寿人の追加招集というニュースが飛び込んできた。

 今回の追加招集はあくまで前田のアクシデントによるものであるから、「幸運にも」とは言えない。しかし待ち焦がれたチャンスが巡ってきたことは、紛れもない事実である。

 あとは結果を残すだけでいい。

 それは本人が、誰よりも深く理解している。

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