スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
モウリーニョの新天地とレアルの改造。
~スペクタクルからリアリズムへ~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byReal Madrid via Getty Images
posted2010/06/08 10:30
レアルのペレス会長と契約終了後のツーショト。会見では「監督としての能力には自信がある」と豪語した
リバプールに愛想を尽かしたジェラードもレアルへ?
戦略の中核を担うミッドフィールダーの最有力候補はあのスティーヴン・ジェラードだ。今季大不振に陥ったリバプールで、ジェラードは監督のベニテスやアメリカ人オーナーに対して相当深く愛想尽かしをしたと伝えられる。しかも彼には、2005年にチェルシー移籍がほぼ決まりかけた過去がある。モウリーニョとの因縁はけっして浅くない。
ほかに考えられる顔ぶれはFWのディエゴ・ミリート(インテル)やMFのダニエーレ・デ・ロッシ(ローマ)あたりだろうか。すべての補強が実現するとは思えないが、彼らが攻撃の要のC・ロナウドやカカに絡んでくれば、チームは一変する。他方、宿敵バルサも、ダビド・ビジャ(昨季はバレンシア)を獲得し、セスク・ファブレガス(昨季はアーセナル)もほぼ手中に収めたらしい。これは強力だ。両者の対決を夢想すると、いまから胸が躍る。プレミアが高齢化の悩みを抱える一方で、スペインの2強は来季も欧州の頂点をめざすのではないか。