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巨人優勝の“陰のMVP”はこの男!
ピンチをことごとく救った西村健太朗。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byShigeki Yamamoto
posted2012/09/24 15:00
日本人投手の球団セーブ記録である32セーブ(上原浩治)を超えるか? 「師匠(レンジャーズの上原)も経験していない胴上げ投手になるなんて。セーブ数も、挑戦していいですかね」と優勝試合後にコメントした西村。
中日の絶対守護神・岩瀬と並ぶセーブ数を誇る西村。
そして優勝を決めたヤクルト戦。
「一番緊張しました。足が震えていたし、何も覚えていない」
2点リードの最終回。あっけない幕切れで仕事を終えた西村は、この試合も無失点で切り抜けて7月29日の広島戦以来続けている連続無失点記録を26試合へと更新。23日のヤクルト戦も1回を無失点に抑えて、記録は27試合へと伸ばした。
3年ぶりの優勝の原動力となったMVPは、おそらく三冠王に手をかける阿部が選ばれるのだろう。
ただ、西村もすでに今季31セーブ(9月23日現在)。この時点で中日の絶対守護神・岩瀬仁紀投手と並び、セーブ王のタイトルを狙える場所にいる。そして何よりチーム事情による度重なる配置転換にも、不平も言わずに仕事をやり遂げた。その心意気、そして果たした役割の大きさを、「陰のMVP」として讃えなければならないだろう。