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最悪のイタリアGPも「パーフェクト」。
アロンソが見せる“3度目”への執念。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2012/09/16 08:01
イタリアGP終了後、表彰台に登ったアロンソは眼下に集うティフォシを自ら撮影。“ご機嫌”の理由は、トラブル続きの週末にあった。
最悪の状況を3位で乗り切り、憧れのセナにまた一歩。
それでも、イタリアGP開幕時点でドライバーズ選手権で2位と3位にいたレッドブルの2人がともにリタイアしていたため、アロンソにとってこの3位は3点を逃したというより、スタート直後にもらい事故を受けて24点差まで詰められていたベッテルとの差を15点広げる結果となった。
とはいえ、新たに選手権で2位に浮上してきたルイス・ハミルトンとの差もまだ37点。残り7戦を考えれば、このマージンは決して十分とは言えない。しかし、アロンソにとってイタリアGPは今シーズン最悪の状況ともいえる3日間だった。その週末を3位で乗り切るあたりが、今シーズンのアロンソの強さであり、6年ぶりのタイトル奪還へ向けて、並々ならぬ執念をも感じる。
3度目のタイトル獲得は、あなたにとってどんな意味を持つのか? と尋ねられたアロンソはこう言った。
「3回という数字は僕にとって、特別な意味を持つんだ。なぜなら、僕にとってのヒーローであるアイルトン(・セナ)のタイトル獲得数と並ぶんだから」