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内田篤人が開幕戦で完璧なスタート!
酒井宏樹と切磋琢磨し更なる高みへ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2012/08/29 10:32
開幕戦では、自身のファウルで与えたFKから先制点が生まれてしまったことに対して、「もったいなかった」としきりに反省していた内田。
8月26日、ブンデスリーガの開幕週にハノーファーとシャルケが激突した。
ハノーファーには酒井宏樹が、シャルケには内田篤人がいる。日本代表では同じ右サイドバックを務める選手同士の2人の対決に注目が集まっていた。2対2の引き分けとなった試合で、酒井は戦術的な理由でベンチ外、内田はスタメンでフル出場。明暗は分かれることとなった。
2人には共通点がある。ともに同じポジションにチームのキャプテンが控えていることだ。
キャプテンのチェルンドロがライバルとなる酒井の場合は、オリンピックに参加したことでプレシーズン期間中にチーム練習へほとんど参加できなかったハンデがあるだけに、すべてはこれからの練習にかかっている。
誰にも気兼ねすることなく、完璧にチームに溶け込んでいた内田。
目を見張るのは、内田の充実ぶりだろう。昨季は、キャプテンのヘべデスがEURO本大会でドイツ代表・右サイドバックとしての出場を目論んでいたこともあり、本職はセンターバックであるのにもかかわらず、内田がヘべデスに右サイドのポジションを譲る機会が多々あった。ときに内田はベンチ入りメンバーからも外れることがあった。だが、今年は違う。
ヘベデスがEUROに参加したためにチームへの合流が遅れたのに対して、内田はチームの新シーズンに向けた始動初日から練習に参加して、入念な準備を進めてきた。さらに、6月の日本代表の試合を終えたあとのオフ期間中も自主トレに励んでいた。
「けっこう(トレーニングを)やったから、きつかったね(笑)。ただ、監督からは『(始動日に合わせて)しっかりと準備して来いと言われたし、ちゃんとやらないとヤバイなと思ったから」
苦笑を交えながら内田は語るが、そこにはある決意があった。