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主力続々離脱のロッテを救えるか?
5年目の苦労人・阿部和成の奮闘。 

text by

永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2012/08/14 10:30

主力続々離脱のロッテを救えるか?5年目の苦労人・阿部和成の奮闘。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

千葉ロッテの背番号「60」阿部和成は、2008年、大牟田高からドラフト4位で入団。5年目を迎えた今季、同期入団の唐川侑己をはじめ主力の離脱が相次ぐ中、正念場を迎えている。

西村監督も「昨年の経験が生きている」と高評価。

 この日も両サイド低めへ丁寧にボールを集めた阿部は7回2/3を5安打1失点に抑える及第点以上の投球を見せる。じつに27人の打者から15の内野ゴロを築いた阿部。球数も93球と彼にとっては理想的な投球を見せた。

「自分の持ち味はコントロールですから」。入団時から常にそういい続けた阿部。

 ともに救援陣が崩れてプロ初勝利こそならなかったが、西村監督も「昨年の経験が生きている」と高評価。ローテーション定着を示唆するコメントまで出た。これで、阿部本人もようやく一歩を踏み出した気分だろう。

自身のプロ初勝利を、生まれ故郷・福岡の地で果たすか?

 入団当初は線も細く、同期の唐川らに比べ頼りない印象さえ受けた。

 しかし、ファームで4年間走り込みを行い、食事量を意識し続けたことで体重も増加。見違えるような成長を遂げた。

 以前、唐川がこんなことを話していた。

「球速だけだったら、阿部は150km出ると思いますよ」

 しかし、阿部は、そうした見た目の派手さよりも自身の最大の武器である制球力に磨きをかけ、先発したこの2試合では、どの球種からもカウントを整えられる大人の投球を見せている。

 次回登板は8月14日からのヤフードーム(対ソフトバンク戦)が予定されている。彼の生まれ故郷である福岡の地で、自身のプロ初勝利と共にチームを混戦のパ・リーグから引き上げることが出来るのか注目される。

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