ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
グループリーグと違う戦い方を見せろ!
エジプト戦、関塚ジャパン2つの課題。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/08/04 13:20
永井には間違いなく厳しいマークが予想されるが、そこをどう利用することができるか。選手の対応力と共に、関塚監督の采配も問われる一戦となる。
サブメンバーの調子が上がらないという不安材料。
もうひとつ懸念されるのが、サブメンバーの調子が上がらないことである。ホンジュラス戦では、サブメンバーを5人もスタメンで出場させた。試合勘を養うのと同時に、1点が欲しい時に入れる選手、流れを変えてくれる選手の見極めを試みた。だが、その1番手になるべき宇佐美貴史と齋藤学は、結果を残すことが出来ず調子が上がっていない。
守ることはできるが、膠着状態になった時、どう打開していくのか。その際、誰を投入し、どう流れを変えていくのか。それは、宇佐美なのか、齋藤なのか。いずれにせよ、サブ組の調子が上がらない中では、どういうカードを切るのか。関塚監督は、非常に難しい選択を迫られるだろう。
対戦相手のエジプトは、グループリーグで日本が戦ったモロッコのような個人技中心のチーム。1年前に札幌で行われた親善試合では、日本が山田直輝と永井のゴールで2-1で勝利している。5月のトゥーロン国際では2-3で打ち負けたが、今はラマダンの時期でもあり、モロッコ同様、後半に失速する可能性は非常に高い。前半、彼らの勢いのある攻撃を凌ぐことができれば、後半、必ず日本のペースになってくるだろう。
エジプトの要注意選手は、5番のモハメド・アブトレイカ。
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また、プレイヤーではゲームメイカーの5番のモハメド・アブトレイカが要注意だ。元々FWなので、得点能力が非常に高い。3-1で勝利したグループリーグのベラルーシ戦では、その3点すべてに絡んでいた。特に1点目のDFの背後に出したロングパスは、日本としては相当、警戒しなければならない。チームの攻撃の起点になっているので、前線からのチェックで簡単にボールを出させないように守備をしていく必要がある。
「サイドバックや前の選手をうまく使いながらケアをしたいですね。仮に、DFの背後とか、危険なパスを出されたとしても、自分がしっかりカバーできればいい。とにかく90分、集中して1点もやらない覚悟でエジプト戦を戦いたい」
ボランチで攻守の舵取りをしている山口螢は、そう話した。